「日本人というのは、なぜ体裁とか外形みたいのにこだわりがちなのでしょうか」
日本人論になるから、例えばルース・ベネディクトの「菊と刀」や土居健郎の「甘えの構造」なんかを読むと参考になると思うよ。「恥」とか「甘え」とかキーワードになる。
俺が面白いと思ったのは日本でのユング学派の大御所、河合隼雄の「父性原理・母性原理」の考え方だ。
河合隼雄はこれを男女の性差ではなく「心の働きの原理」として定義している。
父性原理というのは西洋キリスト教社会で重視されてきた原理だ。
まず原理があり、ルールや法がそれに則って作られ評価され言語化されていく。
そこでは本質や内実や論理に向かう力が重要で、「なぜか」「それは正しいか」が重視される。
母性原理は日本で重視されてきた原理だ。
母親のように受容し包摂し、関係や場の雰囲気がよくすることが重視される。
同調することで安心を得る。
不安にならないためには「そこにいるか」「外れていないか」が常につきまとう。
いわば外形や体裁が重視されて、それが所属に向かう力になるわけ。
母性原理が過剰に強いと「正しいか」「能力があるか」なんかよりも、「場に含まれているか」「流れを乱していないか」「型から外れていないか」が重視されてしまうという・・・。
不登校の例で言うと、親が「道から外れる」と思ってしまうのはこういう心性の働きなんだな。
だから河合のカウンセリングでは「学校に行けた」ことで解決としない。
本人の内面が置き去りのまま型に押し戻されるだけだから。
むしろ内面がどう変化したかが大事だと言っている。
著書としては「母性社会日本の病理」あたりがいいかな。
河合隼雄の本はたくさん出てるからレビューを参考にしてみたらいい。