我々大学教員にとって,学部4年生と修士2年生
との差は,ごくわずかです。あくまでも,修士課程
までは自ら研究課題を発見して解決する能力を
期待しませんし,そういうことができる学生はいま
せん。やはり先生や先輩の博士の学生から指導を
受けたり助言が無いと研究はできない。つまり,
まだ勉強中の人です。初任給は2年分異なるだけ
で,その能力を評価した金額になっているわけでは
ありませんし,旧帝大をはじめとする研究型大学に
対する求人では,大手も中堅も,修士を優先して
おらず,学士と修士を区別せずに総合職技術者と
して求人しています。つまり幹部候補生です。
学士の方が2歳分早く現場の知識に触れます。
大学で学んだ知識なんて,修士まで入れても,現場
ですぐに役立つわけではなく,就職後に現場で
1から学びなおしが必須です。つまり,我々
大学側から見ても,社会から見ても,修士と
学士の差は小さい。数個の講義で,ちょっとだけ
知識が増えたのと,卒論だけじゃなく,もう
少し高度で学会論文集に掲載されるレベルの
修論を書いただけですから。
という現状を踏まえると,家庭によっては,修士
までは子供に投資をするところがあっても
何もおかしいことではないです。
ただ,博士課程(後期課程のこと)の場合は,
学生本人の覚悟が必須です。将来無職になること
を覚悟しないといけない。そのために親が投資を
するのは,かなりリスクがありますね。元本が
なくなる程度ならいいけど,マイナスになって
しまうかもしれない。ここはどんな家庭でも
じっくり相談して決断すべきです。だから,
国(文科省)も,博士課程の学生には,研究費
+生活費の支援を,米国大学のようにする努力を
してくださっています。狭き門ですが,ちゃんと
研究ができる人なら,これをもらえる可能性が
高くなります。まだまだ米国のシステムに比べ
ると金額のボリュームがかなり低いですが・・・