ゴータマ・ブッダの教えは宇宙論については語っておらず、素朴な自然観察をベースとした実践的な教えなんですが、現代では宇宙物理学の発展と共に仏教思想も拡張する人が散見されるようになっています。良いことだとは思いません。仏教は「心」をどうするかの教えですからね。
あえて宇宙物理学に寄せてブッダの教えを解釈すれば、「空」は現象世界の事象について述べられていて、現象世界と「涅槃」が対比されており、涅槃世界は現象世界とは断絶していて、縁起の法則が成り立ちません。
真空だと思われていた宇宙空間、あるいは水素原子やその他の原子が存在する空間と見られていた宇宙には実は暗黒物質・ダークエネルギーで満たされており、「虚空」(何もない空間。真空とも異なる)と定義できる涅槃世界とは全く異なる様相なことが分かってきています。
「空」は現象世界の事象ですから、我々の住んでいる宇宙が空ではないことは明らかです。
我々の宇宙とは断絶した涅槃空間が想定されているんですね。そこの世界では縁起が成立しません。即ち”非空”です。換言すれば「常」(変化せずに永遠不滅)であり、「楽」であり、「我」であり、「浄」なんですね。(常楽我浄。大乗ならではの発想です)
「空」は縁起・無常・無我を言い換えたものです。
宇宙が何かの物質で詰まっていても、その状態は「空」であり、無我であり、無常ですね。