まず、お母さまが間質性肺炎と診断されたとのこと、本当にご心配だと思います。
間質性肺炎という診断は、ひとつの原因に絞り込める病名ではなく、肺の奥の「間質」と呼ばれる部分に慢性的な炎症や線維化が起きている状態の総称です。原因が特定できるものもあれば、特発性といって理由がはっきりしないものもあります。ですので、「犬が原因かどうか」を判断するには、いくつかの視点を丁寧に整理する必要があります。
動物との生活が関係する可能性がある病態としては、過敏性肺炎(過敏性肺臓炎)という免疫反応型の肺炎があります。
これは感染症ではなく、犬のフケや唾液に含まれるタンパク質など、非常に細かい粒子を長期間吸い込むことで、肺がアレルギーのような反応を起こすタイプのものです。ただし、10年間犬と暮らして問題がなかったという点は非常に重要で、通常は長年問題がなかった人が突然強い反応を起こすケースは多くありません。
一方で、新しく迎えた犬がきっかけになる可能性を完全に否定することもできません。個体差によってフケの量や皮脂の成分が違うことがあり、環境中に飛散する抗原の種類が変わると、免疫の許容量を超えて症状が出ることがあります。ただし、ハスキーの毛が硬いこと自体は直接の原因にはなりにくく、問題になるのは毛そのものではなく、そこに付着している微細なタンパク質です。
KL-6が570という値については、医学的には「軽度上昇」の範囲で、病勢が急激に進んでいることを示す数値ではありません。むしろ、今後の経過を追うための基準点として扱われることが多いです。
数値だけで原因を断定することはできませんが、現時点で極端な生活制限を急ぐ必要があるレベルではありません。
現実的な対応としては、まず「犬を原因と決めつけて離す」のではなく、環境要因を少しずつ調整して反応を見ることが合理的です。
寝室だけは犬と完全に分ける、空気清浄機を高性能フィルターのものにする、掃除と換気をこまめにする、といった物理的に吸い込む量を減らす工夫が有効です。
こうした対策で咳が軽くなるか、次回のKL-6がどう変化するかを見ることで、犬との生活がどの程度影響しているのかがより明確になります。
お母さまが長年犬と暮らしてきたという背景も含めて、生活を大きく変える前に「環境調整で反応を見る」という段階を踏むのが現実的で負担も少ないと思います。
ご家族としては不安が尽きない状況だと思いますが、数値や経過を丁寧に追いながら、医師と相談して進めていくのが一番確実な方法です。
どうぞお大事になさってください。