長期投薬中の慢性疾患犬で、投与量を変えていないにもかかわらず、薬の効き目が持続しにくくなってきた場合は、病態進行に伴う薬物動態・薬力学の変化を疑う必要があります。
慢性疾患が進むと、吸収・分布・代謝・排泄といった薬物動態が変化するだけでなく、標的臓器や受容体側の反応性が低下し、同じ血中濃度でも効果が短時間で切れるようになることがあります。
また、代償機構の消耗により、薬効が現れている時間帯自体が短くなっている場合もあります。
このため、薬が弱くなった、耐性がついたと単純に判断するのではなく、体の側が薬を受け止めきれなくなってきている変化として捉え、投与設計や治療目標そのものの再評価が必要な段階と考えられます。