こんにちは。
高校3年生という、人生の物語において大きな転換点を迎える時期に、周囲が着々と道を決めていく姿を見て焦るお気持ち、本当によくわかります。夢から逆算できない自分に戸惑うこともあるかもしれませんが、最初から完成された地図を持っている主人公ばかりが名作を生むわけではありません。
私自身小説家として、白紙の原稿を前に「ここからどんな物語を始めようか」と悩み、試行錯誤する時間を日々過ごしています。執筆のための取材や、様々な分野で活躍する方々のキャリア形成のプロセスを見てきた経験、そして自身の物語構築の視点をもとに、志望校選びのヒントを提案させていただきます。
結論から申し上げますと、「やりたいことがない」というのは、裏を返せば「何にでもなれる可能性」という名の伏線をたくさん持っているということです。
「消去法」と「潰しが利く」は立派な戦略です
相談者の方が考えている、経済・経営・法学部といった「幅広く就職ができそうな学部」という選び方は、実は非常に合理的です。小説の世界でも、序盤で設定を固めすぎず、物語の展開に合わせて柔軟に動けるキャラクターの方が、最終的に意外な場所へ辿り着けることがあります。迷っているのであれば、将来の選択肢を狭めない「汎用性の高い学部」を拠点にするのは、賢明な判断です。
「場所」から物語を書き始める
京都や大阪の都市部に通いたいという希望は、立派な志望動機です。大学生活は勉強だけでなく、その街で誰と出会い、どんな景色を見るかという「舞台設定」も重要です。活気ある関西の都市部なら、アルバイトやインターンシップ、趣味を通じて、大学の外に「やりたいこと」の種が見つかる可能性が格段に高まります。
大学の「色」で決める
同じ経済学部でも、大学によって公認会計士試験に強い、国際交流が盛ん、あるいは自由放任など、校風(カラー)が異なります。今は夢がなくても「この大学の先輩たちの雰囲気は自分に合いそうだな」という直感を信じてみるのも一つの手です。
今の段階で一生を決める「正解」を見つける必要はありません。まずは「ここなら4年間、新しい自分を探せそうだ」と思える舞台を選んでみてください。あなたが踏み出したその一歩が、数年後に「あの時の迷いがあったから、今の自分がある」という素晴らしい伏線回収に繋がります。
いつか相談者の方が、関西のキャンパスで自分だけの物語を謳歌し、自らの手で未来を切り拓いていけるようになった時に、私がこれまでの執筆活動の中で描いてきたような、迷いながらも前へ進む若者たちの情熱を綴った物語を、ぜひ手に取っていただける日を楽しみにしております。
相談者の方が、焦らず、納得のいく「舞台」を見つけられるよう、心から応援しています。