「ルールの破壊者は中国」 中国軍機のレーダ照射問題を台湾と米国はどう見たか
世界の論点
2025/12/22 18:00
https://www.sankei.com/article/20251222-GBIFNEHDRVLTNOWBY75MTJ46LI/
中国海軍の空母から発艦した戦闘機が6日、沖縄本島南東の公海上空で、航空自衛隊の戦闘機に断続的にレーダーを照射した。
高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁を巡り、対立する日中関係を更に悪化させる事案に、台湾メディアは
「ルールの破壊者は中国だ」
とする台湾与党議員の見方を紹介した。
一方、米国メディアは、中国との貿易協議を重視し日中対立から距離を取るトランプ米政権の姿勢に批判的な目を向けた。
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台湾 中国は手の内を出し尽くした
中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射を巡り、台湾メディアは政治的立場を超えてその危険性を指摘した。
最大野党、中国国民党寄りの聯合報は8日付で、普段は批判の矛先を向けることが多い与党、民主進歩党側の声を紹介。
陳冠廷立法委員(国会議員に相当)の
「判断ミスや予期せぬ事態を引き起こしかねない」
「ルールを破壊し現状変更しているのは中国だ」
とのコメントを引用した。
また論評では、F16戦闘機の教官を務めた退役大佐の黄揚徳氏も、日本側が主張する
「照射」
は火器管制レーダーによる射撃前の
「ロックオン」
を継続した状態との見方を示した上で
「双方が相手の出方を予測できず、危険な行為だ」
と批判した。
同時に、ロックオンされた側は相手のレーダー波を記録、解析することができるため、中国側の
「情報の損失」
となった可能性に言及した。
中国寄りの台湾紙、中国時報は8日付論評で、レーダー照射について
「敵対行為であり、通常は戦闘機が空中で遭遇した際は極力避けている」
との軍事専門家の見方を紹介。
また台湾空軍の元副司令官、張延廷氏は論評で
「大陸(中国)の対日軍事圧力の強化を意味している」
と指摘し、中台間でも近年、戦闘機同士のロックオンが確認されたことはないと紹介した。
一方、高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁をきっかけに中国が強めている対日圧力自体を巡っては、台湾メディアの主張は割れている。
自由時報は2日付の論評で、中国は
「民族主義やファシズムを扇動し、国民の政府への不信を対外的に転嫁しようとしている」
との台湾の安全保障当局者の分析を紹介した。
9日付では総統府国策顧問の林逸民氏が寄稿で、
「中国は(首相発言を巡り)1カ月間喚き立てたが、日本が全く動揺しないのを見て一層態度を悪化させた」
とレーダー照射の背景を分析。
中国の対日圧力は
「既に手の内を出し尽くした」
と主張した。
中国に対抗する日米の意志は固く、台湾も
「より積極的に戦略的な主導性を掌握すべきだ」
と防衛力の強化を訴えた。
一方、聯合報は8日の別の論評で、一連の騒ぎは台湾が引き起こしたものではないとし
「台湾自身の安全と地域の安定のために控えめな態度でいるべきだ」
と強調。
頼清徳総統による中国の対日圧力への批判は
「バッタが鶏を挑発」
するものだと非難した。
中国時報は11月11日付の社説で
「台湾周辺の緊急事態は日本の安全保障に関わる」
と認めつつ
「台湾は日本の対中政策のコマになるべきではない」
と主張した。
(台北 西見由章)
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■米国 トランプ氏は対中貿易ディールを優先
トランプ米政権は、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射などで激化する日中対立への深入りを避けている。
米国のメディアや専門家の間では、中国の習近平政権との貿易協議を優先しているとの見方が強い。
トランプ大統領は、レーダー照射問題や台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁を受けた中国による威圧外交など、このところの日中の懸案には言及を避けている。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は11日の記事で、
「トランプ氏は北京との貿易ディール(取引)に署名することを熱望し、習氏とのデリケートなデタント(緊張緩和)を維持することを望んでいる」
と指摘した。
こうした中でも日米は10日、日本海上空で自衛隊のF15戦闘機と米軍のB52爆撃機による共同訓練を実施し、結束をアピールしてはいる。
その一方でトランプ政権は、12月上旬に公表した外交・安全保障政策の指針
「国家安全保障戦略(NSS)」
で、中国に融和的とも取れるメッセージを発した。
米有力シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)」と「戦争研究所(ISW)」の共同報告書は10日、
「(南北米大陸などの)西半球を明示的に最優先とし、アジアを2番手とした」
と論じ、第1次トランプ政権とバイデン前政権を含む歴代政権が強調してきた中国との戦略的競争の重要性を
「大幅に引き下げた」
と分析した。
トランプ氏の対中姿勢の軟化は随所に見て取れる。
8日には米半導体大手エヌビディアの人工知能(AI)向け先端半導体「H200」を中国に輸出することを許可したと発表した。
H200は、中国が現時点で自力製造できる最高水準の半導体よりも性能が高いとされ、軍事分野を含むAI開発を加速させる中国を利する可能性が指摘される。
やみくもに中国を拒絶するのではなく、米国からの半導体供給をコントロールすることで、中国を米技術に
「依存させる」
ことがトランプ政権の戦略だとみる向きもある。
だが、日中の対立から距離を取ろうとするトランプ氏の態度と考え合わせると、楽観はできない。
米外交専門誌フォーリン・ポリシー(電子版)は8日、
「中国への経済関与に重点を置くトランプ氏の姿勢は、(米国が)商業的利益のために安全保障上の責任を犠牲にする可能性があるとの不安を(アジア諸国に)生み出す」
と指摘。
「トランプ政権の二律背反的な対中政策はインド太平洋地域に連鎖反応的な負の影響をもたらしかねない」
と警告した。
(ワシントン 大内清)
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ポイント
・台湾議員「ルールの破壊者は中国」
・中国の対日圧力は「手を出し尽くした」
・トランプ氏は「北京との貿易取引を熱望」
・米政権の対中姿勢は「地域に負の影響」
無礼千万! 今日の友好、明日は制裁
WiLL2026年2月号 元産経新聞社会部記者 三枝玄太郎
■小泉防衛相のファインプレー
防衛省の発表によれば、2025年12月6日午後4時32分~35分頃にかけて、更に同日午後6時37分~7時8分の間、合計30分間に渡り航空自衛隊のF-15戦闘機が断続的なレーダー照射を受けました。
レーダー照射には
「捜索用」
と
「火器管制用」
がありますが、後者であれば、実際の攻撃の直前行為とも言われる極めて危険な挑発です。
中国は通常、この手の問題では
「知らぬ存ぜぬ」
のダンマリを決め込むのが常ですが、今回は小泉進次郎防衛相が迅速に公表したため、否定できず認めざるを得ませんでした。
2025年7月8日、紅海で中国艦船から照射を受けたドイツや、2021年2月20日、同じく照射を受けたオーストラリアに対しては、中国は一貫して否定していますから、今回の小泉防衛相の対応はまさにファインプレーと言えるでしょう。
更に最近の中国は以前のサラミ戦術どころか、
「厚切りハム」
のように一気に既成事実を積み上げてくる危険な局面に入っています。
国際情勢は第3次世界大戦の瀬戸際と言っても大袈裟ではない。
現在、中国は英・仏・独に対して積極的な外交攻勢をかけているにもかかわらず、日本では高市首相や茂木敏充外相が国会対応に追われ、十分に動けない状況です。
野党が建設的な議論をしてくれるならまだしも、
「GDP3.5%の防衛費増額をアメリカに強要されたのか」
などと執拗に問い質すばかり。
これでは何をしているのか・・・と首を傾げるしかありません。
今必要なのは、時間を浪費せず、日本が主体的に動くことです。
中国が公開した音声は嘘でしょうね。
中国 レーダー照射問題 “事前に通告”「音声」公開 「計画通り艦載機の訓練を実施」
https://abema.tv/video/episode/89-45_s0_p471894?msockid=03bbc426d8756d821927d643d90f6c0f
【時系列】中国軍レーダー照射の音声データとは?経緯と日中双方の主張をわかりやすく
2025年12月10日
https://www.jouhou-blog.com/chugoku-radar-onsei/
中国軍が公開した音声データの不自然な点を検証 〜レーダー照射問題の情報戦〜
2025年12月10日 05:00
https://note.com/drneurosur/n/n8bf7a5fbddec
<主張>レーダー照射 中国の反論は噓まみれだ
社説
2025/12/14 5:00
https://www.sankei.com/article/20251214-BNYXLCVJ4JKEBDHT5UUQ4VFFNQ/