「傘」という漢字に「人」が4つも入っているのは、実は「傘を差している人」を表しているわけではないからです。
この漢字の成り立ちを知ると、納得できる理由があります。
1. 「人」ではなく「骨組み」を表している
「傘」という字は、もともと物の形をかたどった象形文字です。
一番上の「人(ひとやね)」は、傘の幕(布)の部分。
真ん中の4つの「人」は、布を支える「傘の骨」が並んでいる様子を表しています。
中央の縦棒(十の下部)は、持つための「柄(え)」です。
つまり、4人の人間が中に入っているのではなく、「複雑に組み合わされた傘の骨組み」を記号化したら「人」という字に似てしまった、というのが正解です。
2. かつての傘は「みんなで入るもの」だった
質問者様が仰る通り、現代の傘は一人用が基本ですが、漢字が生まれた古代中国において、傘(天蓋)は貴族や高貴な人が外出する際に、従者が後ろから差し掛ける大きなものでした。
そのため、構造として「多くの骨で支えられた大きな屋根」というイメージが強く、それを表現するために「人」をたくさん書き込む形になったと考えられています。
豆知識:略字では「人」がなくなる
ちなみに、常用漢字ではありませんが、「傘」の略字として「仐」と書くこともあります。これなら「一人用」に見えるかもしれませんね。