自分と異なる政治的立場の人が「非理性的」に見える現象は、人間の脳に備わった普遍的な「認知バイアス」によるものです。主な要因は以下のとおりです。
私たちは「自分の見ている世界こそが客観的な真実」と信じ込んでいます。そのため、異なる意見を持つ相手に対し、脳は自動的に「バイアスで目が曇っている」とか「理解力がない」と判定し、聞く前から「理性的ではない」とラベルを貼ってしまいます。
また人間は、論理よりも「信じたい結論」や「アイデンティティ」を守ることを優先します。
結論ありきで理屈を組み立てるため、客観的には矛盾していても、本人は論理的だと確信しています。知能が高い人ほど、この自己正当化が巧みになります。
更に、味方は「多様な個人の集まり」と捉える一方、敵対グループは「全員が同じような極端な思想の持ち主」だと一括りに認識する傾向があります。目立つ一部の過激な言動を、その集団全体の性質だと錯覚してしまうのです。
つまり、相手が非理性的に見えるのは、脳が「自分の正義」を守るために相手を単純化・歪曲して認識している結果と言えるでしょう。