被害弁済とは、基本的には「犯した罪の償いとして、被害を埋め合わせるために支払われるもの」です。
このケースでは、仕送りが行われていた当時、父親は自分の罪を隠蔽しており、娘さんも(当時)被害を訴えていませんでした。つまり、支払う側も受け取る側も、それを「慰謝料」として認識する余地が全くありません。後から「あの時の金は実は賠償金だったことにしよう」という後付けの理屈は、裁判所では通りません。
「扶養義務」との兼ね合い
質問者様は「本来1円も払う必要がない」と仰っていますが、裁判所はここを厳しく見ています。
法律上、親は未成熟子(大学生など)に対して、自分と同じ水準の生活を維持させる「生活保持義務(扶養義務)」を負うと考えられます。
裁判所は、今回の仕送りについて「親として当然の義務(扶養)の範囲内」であると判断しました。つまり、「義務として払った生活費」を、後から「義務のない賠償金」にすり替えることはできない、という論理です。