「進まない」というのが何の何処を見てのご認識なのかが不明ですが、基本的に今の国内で行なわれている再開発(市街地再開発事業)は組合施行の権利変換方式を前提としているので、スケジュールが遅延したり法定手続きが進まない理由は
①権利者間の合意形成
②事業収支の調整
の2点にほぼ集約されます。昨今は工事費の高騰にともなう②の課題が特に大きいのですが、①も②もどちらも事業の構造としてスケジュールを完全に担保することはできませんので、ちょっとしたことで簡単に遅れます。なので「どうして進まないのか」と訊かれれば「再開発とはそういうものだからだ」が最も的確な答えだと思いますし、そもそも東京や大阪だけがそのような状態という訳でもありません。大都市であればそれだけ権利者の数は多く、地価の変動に応じた経済条件の変化に地権者が追従するのも難しくなるので、地方都市に比べれば余計にプロジェクトの難易度は高まります。逆に、地方は地方で施設計画の成立性が事業収支にマトモに響いてくるので、大都市とは違ったハードルがあると言えます。
再開発によって生成する床の種別は住宅(マンション)が最も処分性が高く現実的ですので、再開発を進めるためには土地の高度利用を大前提に、マンションを基軸とした施設計画とするのが得策だとも言えるのですが、それは行政が定める都市計画の方針と合致しなかったり、デベロッパーによる金儲けが主目的であるとの誤った認識によって権利者や近隣からブレーキがかかることもあるので、手離しでマンション偏重型の再開発とする訳にも(普通は)いきません。
着工直前まで進んでも工事費が高過ぎて建設会社が決まらないとか、それが近い将来見越されるので合意形成自体を中断せざるを得ないような事例が非常に増えてきているので、質問者さんが「進まない」という印象をお持ちになっているのもそういう事象を見てのことだろうと想像します。しかし、そこだけを切り取って「東京や大阪では再開発が進んでいない」と言い切ることには私は違和感があります。次のステップに進むことができず、外観的にわかるレベルでの変化が生じていないというだけで、再開発の当事者である権利者や事業関係者、行政などの認識としては、今のような状況でも事業としての検討は一進一退続いているのであり、事業主体は一定の目標に向けて活動を続けています。知らない人はそれを知らないというだけのことです。