スタットエージェントでございます。
以下、回答参考になればと思います。
ざっくり言うと、現在の住友家は「グループのオーナー家」というより、「創業家としての象徴・精神的支柱」に近い立場です。
戦後の財閥解体で、旧住友財閥の各社はそれぞれ独立した会社になりました。住友グループ公式サイトも、戦後に「各社が独立し、それぞれの道を歩み始めた」と説明しています。つまり、戦前のように住友家が本社を通じて全体を統率する体制は、いまは基本的にありません。
ただ、住友としての結びつき自体が消えたわけではありません。住友グループには広報委員会のような共通組織があり、三井住友トラストの100年史でも、住友にはいまも社長会「白水会」があり、グループの連携や文化を紡いでいると説明されています。つまり今の住友は、家が支配する財閥ではなく、独立企業が歴史・商標・事業精神でゆるく結ばれた企業集団という理解が近いです。
実際、主力上場企業の公開資料を見ると、支配の中心は住友家ではなく、信託銀行や機関投資家、グローバルカストディ銀行です。たとえば住友商事の大株主は日本マスタートラスト信託銀行やState Streetなどで、住友生命でも2.56%です。SMFGも大株主はマスタートラスト、カストディ銀行、State Street などが中心です。経営陣も、住友商事・SMFGともに公開されている役員名簿上はプロ経営者中心で、創業家が前面に立って経営している形ではありません。
その一方で、「住友家そのもの」は今も完全に無意味ではないようです。報道ベースでは、住友グループは三井・三菱と違って創業家がなお存在し、現在の当主は17代目・住友吉左衛門芳夫氏で、住友家はグループの「精神的支柱」「シンボリックな存在」と位置づけられています。ここは公式IR資料というより経済メディアの整理ですが、今の実態感にはかなり近いと思います。
なので、ご質問にそのまま答えると、
1. 直接の経営権
ほぼない、と見てよいです。少なくとも公開情報からは、住友家が主力各社を株式で支配したり、人事を直接握ったりしている姿は確認しにくいです。
2. 立ち位置
「創業家」「看板」「事業精神の源泉」としての重みは残っています。住友は今でも“家”の歴史や精神をかなり大事にするグループです。
3. グループ各社の恩恵を受けているか
公開資料から見る限り、戦前のような家への制度的な利益供与や支配配当の構図は見えません。ただし、創業家としての社会的信用、人的ネットワーク、象徴的地位はあるでしょうし、もし個別に資産保有や財団・関連団体での関与があれば、その範囲で恩恵を受けることはありえます。ただ、それは「住友家が住友グループ全体から当然に利益を受ける」という意味ではなさそうです。これは公開されている株主・役員資料からの推論です。
補足すると、三井住友銀行はそもそも住友銀行とさくら銀行の合併でできた銀行なので、純粋な「住友家の銀行」という見方は今ではかなり薄いです。
一言でまとめるなら、
「住友家は、いまも“格”はある。しかし“支配”はしていない」
という整理がいちばん近いです。