まず1950年、中国共産党はチベットを侵略した。
チベット産のパンダまで強奪し、1頭1000万ドルを取って他国に貸し出し、子を産んでも、それは中国のものという無理を通す。
嫌ならもう貸し出さない。
日本をはじめ世界中、パンダ外交で翻弄する。
元は盗品。
贓物牙保だ。
公明・朝日・立憲・・・
高市オロシに踊った”中国の刺客たち”
WiLL2026年2月号 ジャーナリスト 高山正之
■満蒙回蔵こそ中国の心臓部
中国も高市政権に対して強い警戒心を抱いているのは間違いない。
それは台湾問題ではないように思う。
韓国・慶州で2025年10月31日にあった日中首脳会談で高市さんは習近平に歯に衣を着せず、アステラス製薬邦人社員の拘束について糺し、中国在留邦人の安全性を守るように要請し、更には新疆ウイグル自治区などの状況に関して深刻な懸念を伝えたという。
この発言が中国政府を大いに刺激しているのではないか。
中国の領土問題に関しては歴史的に振り返る必要がある。
1932年、スティムソン・ドクトリン(米国務長官のスティムソンが日本の満州への軍事行動を非難するなどの内容)が公表された。
それは米国が呉佩孚(ご はいふ)や馮玉祥(ふうぎょくしょう)、張作霖などではなく蒋介石こそ清王朝の正式後継者であると勝手に宣言した。
清王朝の領土範囲は万里の長城の内側の中国人(漢民族)の領土に加え、清王朝の故郷の満州、それにモンゴル(豪)、ウイグル(回)、チベット(蔵)になる。
しかし中国人は清王朝に征服された、いわば植民地人だ。
それが清王朝に成り代わって、その版図を丸々受け継ぐ資格などどこにもない。
実際、孫文ですら、恐る恐る
「満蒙回蔵」
と、中国の5カ国連合を作ろうと言っていたほどだ。
スティムソンがなぜ、
「中国の統治者は蒋介石」
だと積極的に言い出したのかと言うと、米国は中国市場を独占し、日本を排除したかったからだ。
それで蒋介石に満蒙回蔵をくれてやると言って、日本排斥をやらせた。
満蒙回蔵が蒋介石・中国のものなら、満州に出た日本はまさに中国領土の侵略者になる。
日本は不戦条約に反し、中国の領土の一部、満州を取ったと批判する。
日本側は、満州は満州人のもの、中国人は古来、万里の長城の内側でのみであって、山海関の彼方、満州を領有したこともないと反論するが、スティムソンは聞く耳を持たず、反日の欧州諸国もそれに同調し、日本は国際連盟からも脱退せざるを得なくなった。
米国は更に蒋介石に空軍を供与、盧溝橋で挑発し、通州で日本人250人を虐殺し、遂には上海の共同租界を6万人の軍勢が攻める第2次上海事変を引き起こし、ここに泥沼の日中戦争が始まった。
米国の思惑に添って日本を戦争に引き込んだ蒋介石に、フランクリン・ルーズベルト(FDR)はカイロ会談(1943年)でお褒めの言葉を与えて、スティムソン・ドクトリンを再確認し、加えて中国人一切入国禁止を謳った排華法(1882年)の廃止を約束した。
その蒋介石を追った毛沢東は米国の口約束に従い、暴力で満蒙回蔵を支配した。
FDRが自ら言い出した大西洋憲章にある
「民族自決」
を踏みにじる暴挙だ。
まず1950年、中国共産党はチベットを侵略した。
チベット産のパンダまで強奪し、1頭1000万ドルを取って他国に貸し出し、子を産んでも、それは中国のものという無理を通す。
嫌ならもう貸し出さない。
日本をはじめ世界中、パンダ外交で翻弄する。
元は盗品。
贓物牙保だ。
内モンゴルからはレアアースが出て、今や中国に逆らったら兵器もミサイルも作れない。
チベットはイラワジ、メコンなど、東南アジアを流れる5つの大河の源流がある。
その水源を押さえれば、下流の東南アジア諸国は干上がる。
中国は国境越しにインド・パキスタンにも脅しをかけて、今や世界を動かす大国にのし上がった。
だからこそ、中国は、この満蒙回蔵不法占拠を国際社会から隠しておきたい。
ひとたび国際世論が満蒙回蔵の自立を言い立てれば、中国には反論の術がない。
■わざと台湾に注意を向けさせる
そんな中国の悪辣な行為に対して、ハリウッド映画でもブラッド・ピット主演の『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(1997年)や、ダライ・ラマ14世の熱心な支援者であるリチャード・ギア主演の『北京のふたり』(1997年)で、チベット問題が取り上げられた。
中国はダライ・ラマを追い立てた悪者だと正直に描かれた。
中国は即座に動いてハリウッドを買収し、中国礼賛の映画が盛んに作られた。
逆らったリチャード・ギアはハリウッドから干され、目立った作品にも出演できなくなっている。
しかし、今は不景気でその神通力も失せた。
だから満蒙回蔵に目が向かないよう、侵攻する気も無い台湾を
「今日取りに行く」
「明日攻撃する」
と言い立てる。
高市さんが存立危機事態で台湾に言及すると
「待ってました」
と大騒ぎを始める。
習近平はトランプに電話し、高市さんを黙らせようとする。
台湾問題は国際世論を賑わし、マクロンが訪中すると
「1つの中国」
を言い立て、また台湾に注目させる。
国連事務総長にも2度も書簡を出した。
だいたい台湾には国民党という中共の身内が3割もいると言われる。
いつでも呼応する。
台湾問題はどこまでも世間の目を逸らすためにある。
習近平が即座に反応したのは、高市さんが新疆ウイグル自治区を公然と指摘したことにある。
だから急いで、目を逸らせるため、台湾に注意を向けさせたわけだ。
■地下資源がほとんど出ない
だいたい中国人の領土、万里の長城内のほとんどが農作地で、高い山の代名詞になる泰山にしても1500メートル。
全て黄河揚子江の沖積平野で、火山もないから硫黄も取れない。
黒色火薬もできない。
それで明の朱元璋(洪武帝)は硫黄欲しさに沖縄に言い寄って来た。
沖縄の北端にある硫黄鳥島があって硫黄が無尽蔵に採れた。
それで洪武帝は
「久米三十六姓」
と呼ばれる多くの中国人を琉球王国に派遣させた。
硫黄を採掘し、琉球国からの朝貢という体裁をとった。
だから朝鮮の王は天安門から紫禁城まで徒歩で行ったが、琉球王は駕籠で行けた。
地下資源はほとんど出ない中国。
だからこそ、新疆ウイグル自治区や、内モンゴル、チベットは命より大事で、そこが民族自決したら中国は世界最貧の農業国になる。
そこで毎年のように台湾周辺で軍事演習を行い、示威行動をして見せ、牽制する。
中国はいつでも台湾周辺に進出することができるとちらつかせる。
今回の沖縄本島南東の公海上空での、中国海軍空母「遼寧」の艦載機J-15が、航空自衛隊F-15に対してレーダーを照射した1件も同じ事だろう。
以前は
「日本弧」
が存在していたため、太平洋に進出することは難しかったが、時代は変わった。
中国の海軍基地になっている三亜は、元々は日本の海軍基地と飛行場があった所だ。
今はそのまま受け継がれており、そこから宮古海峡に出れば、すぐに太平洋に出られる。
中国の進出を制御できるか軍力は、残念ながら日本にないから、実に容易に出来てしまう。
そういう意味で、中国が多大の犠牲を払ってまで、台湾を併合する意味も理由もない。
だからこそ、高市さんのウイグル発言は、習近平の心臓に深く突き刺さったのではないか。
そんなことを発言する日本の首相はかつていなかった。
■中国に奉仕する連中
そこで習近平政権は高市さんを追い落とし、ウイグル・チベットでなく、台湾に国際社会の目を向けさせようと手練手管を駆使している。
しかも情けないことに日本国内では中国に奉仕する連中が多い。
それが公明党であり、立憲民主党の岡田克也であり、媚中議員が連なり、彼らを支援するのが、朝日新聞をはじめとしたオールドメディア、そして日本の学者だ。
歴史学者の北岡伸一は安倍晋三さんの戦後70年談話を受け、
「『日本は確かに侵略をした。こういうことを繰り返してはならない』と1人称で言ってほしかった」
などと妄言を吐いた。
また、法学者の園部逸夫は
「日本は朝鮮に酷い事をしたのだから参政権がぐらい与えろ」
と言って歩き回り、1999年、朝日新聞のインタビュー記事で
「国会でも在日の人たちに地方参政権を与えたらどうかという意見が出ているが、ようやくこの問題をゆっくり認識する時間が出て来たという気がしている」
と発言した。
ほとんど原始社会にいた朝鮮の民を近代の入り口まで引っ張り上げてやったことのどこが
「酷い事」
なのか。
こういう人たちが日本の歴史問題を牛耳っている。
その流れを変えるのは、習近平も恐れる高市さんしかいない。
しかも、そんな高市さんを多くの日本人が支持している。
時代は確実に変わり始めた。
期待したい。