金銭の支払いを求める裁判に勝訴すると、相手の銀行口座の残高を差し押さえて回収することができます。
ある会社がこの差し押さえの手続きをとろうとしたところ、郵便局のミスで差押えができなくなってしまいました。
そこで、この会社は、国(当時の郵便局は国営でした)に対して、ミスがなければ差押えによって回収できていたはずの金額(約787万円)を払ってほしい、と請求しました。
憲法17条は「何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。」と定めています。不法行為、とは、故意や過失(ミス)によって誰かに損害を与えることをいいます。
しかし、当時の郵便法という法律では、この会社は賠償金を請求できなくなっていました。そこで、この郵便法の規定が憲法17条に違反するのではないか、という裁判になったのです。
最高裁判所はこの会社の訴えを認め、郵便法の規定は違憲であり無効だと判断しました。
この事件は、最高裁の判決が出た後、最終的に郵政公社との話し合い(和解)によって終了したため、どのような内容で決着したかは公表されていませんが、判決を見る限り、おそらくこの会社の請求を認める形に近い内容になったものと思われます。