議論というか、改憲ヤルヤル詐欺を働いている自民党が、そういうものを持ち出してはいますが、もともと本気で改憲する気がないので、「構想」段階から一歩も前に進めようとはしていない。
だから、それが具体的にどういうもので、どんなメリットをもたらすのかとか、そういう中身の議論は全く進んでいないし、国民にも明らかにされていない。
改憲派を自認する人々が、勝手に自分が思い描く「自衛隊明記」について、ネットで語っているだけです。
*****
ちなみに、自衛隊明記などという改憲は、それだけなら無意味であり必要ありません。
「自衛隊明記」なんてしたところで、自衛隊の持つ兵器がアップグレードされるわけではない、防衛費を増額できる打ち出の小槌が現れるわけでもない、自衛隊への志願者が急増するわけでもない(むしろ逆の可能性大)、そして何より、それで他国が「日本に武力攻撃するのをやめよう」なんて思うはずもない。
そこにはロジックなど何もなく、ただ「自衛隊明記」というお札を貼っておけば、日本は安全になる、まさに「憲法バリア」で国を守ろうとしているということになります。
*****
また改憲派は自衛隊の違憲論争に終止符を打つとか言ってますけど、そのようなことは自衛隊明記なんて改憲ではできないのです。
自衛隊が違憲だと言われることがあるのは、自衛隊が憲法に明記されていないからではなく、自衛隊が憲法で保有を禁じている戦力に該当するような使い方を、政府がしようとするから。
だから、いくら憲法に自衛隊を明記したって、9条2項を改めない限り自衛隊が違憲だと言われる根拠には全く変化はない、つまり、相変わらず自衛隊は政府の使い方によっては違憲と言われることがあるのです。
国会の存在は憲法に明記されていますけど、定数が不均衡だと違憲状態と言われることになる。それは国会が憲法に明記されていないからではなく、憲法14条に法の下の平等が定められているから。
国会に対して「違憲論争を終わらせる」なら、やるべきことは憲法14条の「法の下の平等」の削除だということ。
つまり自衛隊明記という改憲は、いくらやっても違憲論争を終わらせることなどできない、そういう無意味な改憲なのです。
そしてそういう「違憲論争」があることが、日本が民主主義国家として健全である証。これを無くそうなどということを主張すること自体、立憲主義の民主主義国家の否定と言っても構わないと思います。
絶対に自衛隊を違憲と言わせないために改憲するのだと言うなら、「自衛隊は神聖にして侵すべからず」とでも改憲するしかないのです。
*****
一方、安倍元首相などは憲法に自衛隊を明記して、自衛隊員に誇りを持たせるんだなどと、繰り返し言ってました。
別に自衛隊員が誇りを持ったからって、国民には何のメリットもないはずなのですが、あえてどんなメリットがあるのかと考えたら、自衛隊員に誇りを持たせれば、「豚もおだてれば木に登る」みたいに、これまで命じることができなかったような危険な任務に自衛隊員を送り込むことができる、それが国民のメリットになる、くらいしか私は思いつきませんでした。
9条への自衛隊明記を主張する改憲派の狙いが、ただの自己満足ではなく、本当はこれだとしたら、改憲派はこれまでのような安全対策を講ずることなく、自衛隊員を危険な場所に送り込めるように改憲しようとしているということになる。
もしこれが正解なら、その改憲は自衛隊員の命を軽んずるための改憲ということになるので、公序良俗に反する改憲だと考えるべきです。
自衛隊員にしてみれば、とんでもないデメリットですね。
私は自衛隊をリスペクトしているので、そのような改憲には反対です。