まあ核と徴兵制にどれだけの関連性があるか、と言われると私もそこは疑問があります。
ただ、まずは徴兵制をどうにかしなければならないのではないか、というあなたの問題意識は正鵠を突いていると思います。
まあ徴兵制なんて導入せずに済むならそれに越したことはないのですが、今の日本の若者の自衛隊への志願状況を見たら、とてもそうは言っていられないと思うのですけど、誰もそれに注目していないのが、本当に不思議でなりません。
昨年の防衛白書から、自衛官の応募状況に「採用計画数」を載せるようになったのですが、これがもう悲惨な状況。
2023年度の採用において、自衛官候補生は10628人の計画に対して3221人しか採用できなかったのです。一般曹候補生も7230人の計画に対して4969人。
この二つ合わせて17858人採用するはずが採れたのは8190人。計画の半分にも満たないのです。
2024年度は計画時点で諦めていたようで、自衛官候補生はたった4890人、一般曹候補生は8160人、合わせて13050人の計画だったのに、採用できたのは前年からさらに減って自衛官候補生が3235人、一般曹候補生が4720人の合計7955人。
自衛隊全体でも、2023年度は9911人、2024年度は9652人。これ、2021年度の13280人からわずか3年でほぼ3割減っている状況。もちろん自衛隊員の実員も右肩下がりで、2021年度末で230754人だったものが2024年度では220252人と1万人以上減っている。
これだけの規模の組織に新規入隊者が1万人にも満たないとなると、全員が25年くらいは勤めてくれないと、組織が維持できない。
つまり40代がゴロゴロいるという状態になってくれないと逆に困るという、そしてそれだけ長く勤めてもらうにはみんな昇進させなければならないから、「士」が全体の15% しかいないという、他国の軍隊ではちょっと見られない軍事組織になろうとしているのが自衛隊です。
この状況を知ってもなお、自衛隊が志願制で今後もやっていけると思っているなら、私はそういう人に対しては平和ボケと評することに躊躇はありません。
特に中国相手に勇ましいこと言っている政治家などに喝采を叫ぶ若い人が多いみたいですけど、そうやって近隣諸国との緊張を高めるということは、自衛隊志願者をどんどん減らすし、現職自衛隊員をどんどん退職させることにもなるんだということ、わかっているのでしょうかと心配になります。
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ちなみに私は、今の憲法のままで徴兵制を導入するとしたら、志願者に経済的な特典を与える経済的徴兵制だろうと予想しています。
自衛隊の志願者だけ奨学金がもらえるようにし、その分私立大学への補助を減らして学費を値上げするとか、公務員の採用には除隊者を優先させるとか。
そうやって高校を卒業する時点で多くの若者が自衛隊に志願するように仕向けるのです。
それに、これだと形の上では志願制ですから、今、徴兵制などありえないと喚いている自称保守の皆さんも「これは徴兵制じゃない」と言い訳できますから。