小説家をイメージしてみてください。
物語の内容、舞台設定や登場人物、ストーリーの流れなんかを考えるのはアイデアの範疇です。
しかし、それを文章に起こす事が完全に作業であるか?というとそんなことはありません。
同じプロットを書くとしても、その一文一文にどんな表現を使うのか、文の配置をどうするのか等々、考える事は無限にあります。
ほんの僅かな表現の違いが、読者に与える印象をガラッと変えてしまったりもします。
だから小説家は、何度も何度も文章を推敲しては書き直します。
アニメ製作をイメージしてみてください。
アニメは多人数での共同作業です。
シナリオライターや監督が物語の展開やシーンの構成のアイデアを考えます。
それを元に演出が、各シーンの細かな表現を作り込みます。
更にそれを元に、原画がシーン内のキーポイントとなる絵を描きます。
更にそれを、動画が間を埋めて動く絵にします。
それぞれの各段階ごとに、それぞれのアイデアがあり、技術があり、試行錯誤や創意工夫があります。
ゲーム制作も同様です。
小説家のように、根本となるアイデアから、ゲームデザイン、設計、プログラミングまで、全て自分でこなす、個人製作者も居れば、
アニメ製作のように、プランナーがアイデアや企画を作り、ゲームデザイナーがゲームシステムをデザインし、細分化されたパーツをプログラマが分業して作り込んでゆく、
みたいな作り方をする場合もあります。(企業の大規模なゲームはほぼ後者)
どちらの方法にせよ、それぞれの人は「存在していない物を新しく存在させる仕事」なのは同じです。
ゲームに限らず「開発」というのは、そういう仕事だからです。
分業の場合は、プログラマはゲームデザインには、口出ししません。
しかし、だからといってアイデアが不要な訳ではありません。
例えば、キャラクターを動かすプログラムを担当したとして、「上に動け」なんて命令がある訳ではなく、
様々なパラメーターの計算やグラフィックのコントロール、ゲーム内空間との関係の処理等々、やらなければいけない事は沢山あります。
それらをどんなふうに行なうか、どんな形で必要な機能を実現するか等々、プログラム上のアイデアを出して考えるのはプログラマの仕事です。