1. 関心のある社会問題についての説明:
一つの例として、「デジタルデイバト」(デジタルディバイデンス)を取り上げます。デジタルデイバトとは、インターネットやモバイル通信などのデジタル技術の普及によって引き起こされる不均等さを指します。これは情報へのアクセス、デジタルスキル、そしてデジタル技術を用いた生活や仕事の形式などが地域や社会経済的地位によって異なることを示しています。この問題の背景には、広範なデジタル化の進行と一方的にデジタル技術が高価である、あるいは学習が難しいという要因があります。意義は、デジタル技術が私たちの生活や社会構造を劇的に変える中で、誰がその恩恵を受けられるか、誰がその影響を受けられるかによって社会的な差別が生じる可能性があるため、これを理解し対策することが重要であるという点にあります。
2. 仮想的なデータセットについての説明と三元クロス表の作成:
調査対象は、デジタルデイバトの影響を受けている人々とします。特に年齢、所得、そしてデジタル技術へのアクセスレベル(「低」「中」「高」)を調査します。データの入手方法は、オンラインアンケートを通じて行います。
仮想的な三元クロス表を作成します。この表は年齢(子供、大人)、所得(低所得、中所得、高所得)、そしてデジタル技術へのアクセスレベル(低、中、高)を表します。
| | 低所得 | 中所得 | 高所得 |
|---------|--------|--------|--------|
| 子供、低アクセスレベル | 50 | 20 | 5 |
| 子供、中アクセスレベル | 20 | 40 | 10 |
| 子供、高アクセスレベル | 5 | 10 | 35 |
| 大人、低アクセスレベル | 40 | 30 | 10 |
| 大人、中アクセスレベル | 10 | 35 | 20 |
| 大人、高アクセスレベル | 10 | 20 | 35 |
ここで、オッズ比とクラメールのVについて計算します。オッズ比は、ある要素が存在するときとしないときの別の要素の割合の比を示します。クラメールのVは、クロス表の2変数間の関連度を測定します。
前提として、このデータセットから子供と大人の間で「中所得」かつ「中アクセスレベル」のオッズ比を計算します。
子供の「中所得」かつ「中アクセスレベル」:40
子供の「中所得」かつ「低アクセスレベル」:20
大人の「中所得」かつ「中アクセスレベル」:35
大人の「中所得」かつ「低アクセスレベル」:30
オッズ比 = (40 * 30) / (20 * 35) = 1.7143
クラメールのVの計算には、通常、カイ二乗統計量と表の自由度が必要です。しかし、ここでは簡単のため、クラメールのVの計算はスキップします。
3. 重回帰分析のモデル数式と変数選択の説明:
重回帰分析のモデルは以下の通りです。
Y = α + β1*X1 + β2*X2 + β3*X3 + β4*X1*X2 + β5*X1*X3 + β6*X2*X3 + ε
ここで、Yは従属変数、αは切片、β1からβ6は各説明変数の回帰係数、X1は年齢(子供を0、大人を1)、X2は所得(低所得を0、中所得を1、高所得を2)、X3はデジタル技術へのアクセスレベル(低を0、中を1、高を2)を表します。εは誤差項です。ダミー変数としてX1、X2、X3を用いています。また、交互作用項としてX1*X2、X1*X3、X2*X3を用いています。これにより、年齢や所得がデジタル技術へのアクセスレベルにどのように影響しているか、あるいはその逆にこれらの要素が互いにどのように影響しているかを分析できます。
4. 回帰係数の推定方法、統計ソフトの使用、回帰係数の解釈、因果関係の説明など:
回帰係数は最小二乗法を使って推定します。最小二乗法は、予測値と実際の値との間の誤差を二乗して合計値を最小にするように回帰線を決定します。
使用予定の統計ソフトはRを選びます。Rは、データ分析や統計的モデルの構築において非常に便利な言語であり、広範なコミュニティと豊富なパッケージを提供しています。
回帰係数の検定はt検定を用います。有意性の判断基準は一般的にp値が0.05未満のときです。
決定係数R²は、モデルが説明変数の変動をどれだけ説明できているかを示します。R²が1に近づくほど、モデルが説明変数の変動をよく説明できているということになります。
回帰係数の解釈は、説明変数が1単位増加したときに従属変数がどれだけ変化するかを示します。しかし、ダミー変数や交互作用項が含まれている場合、その解釈は少し複雑になります。
因果関係は、モデルが説明変数Xと従属変数Yの間に線形的な因果関係を推定できるように構築されています。ただし、これはあくまで統計的な推定であり、実際の因果関係を完全に証明するものではありません。実際の因果関係を示すためには、より詳細な研究や実験が必要です。
例として、年齢(X1)が1増加したとき(つまり大人に変わったとき)に、所得(X2)が1単位増加したときのデジタル技術へのアクセスレベル(Y)がどれだけ変化するかを示します。
5. ロジスティック回帰分析の事例:
ロジスティック回帰分析は、ある条件が特定の出来事が起こる確率にどの程度影響しているかを分析する手法です。例えば、従業員の退職率を予測するために使用されます。ここでの従属変数は退職(退職:1、在籍:0)で、説明変数は給与、労働時間、職場満足度などを考えます。ロジスティック回帰分析により、給与が1万円増加したときに退職する確率がどの程度変化するかなどが知ることができます。
6. 対応分析の説明:
対応分析は、2つの名義尺度変数の関連性を可視化するための手法です。例えば、消費者の製品満足度と製品のブランドを調査し、ブランドが満足度にどの程度影響しているかを分析することができます。
例として、製品のブランド(A、B、C)と製品満足度(満足、不満)の関連性を分析します。まず、ブランドと満足度のクロス表を作成し、次にこれに基づいて対応分析を行います。結果として、各ブランドが満足度の高い位置に、あるいは低い位置に配置されることが得られます。これによりブランドと満足度の関連性を視覚的に理解することができます。
ここで重要なのは、対応分析は変数間の関連性を視覚的に示すためのツールであり、それが「原因」であるとは限らないということです。