この実験では、亜鉛と希硫酸の反応により水素が発生します。
Zn + H₂SO₄ → ZnSO₄ + H₂
発生した気体は水上置換で捕集されているため、
メスシリンダー内の気体は「水素と水蒸気の混合気体」である。
したがって、水素の分圧を用いて物質量を求める。
水素の分圧は
P(H₂) = 大気圧 − 水蒸気の飽和蒸気圧
= 1.016×10⁵ − 3.6×10³
= 9.80×10⁴ Pa
気体の体積は
249 mL = 2.49×10⁻⁴ m³
温度は
27 ℃ = 300 K
理想気体の状態方程式 PV = nRT より,
n = PV / RT
= (9.80×10⁴ × 2.49×10⁻⁴) / (8.3 × 300)
≈ 9.8×10⁻³ mol
〔答〕
発生した気体 X(水素)の物質量は
9.8×10⁻³ mol となります。
「なぜ水蒸気が混ざるのか」
水は蒸発する:水面がある場所では常に少しずつ水が蒸発して気体になります。
↓
平衡で決まる:同じ温度・場所にあると、蒸発と凝縮がつり合って水蒸気の圧力が一定(飽和蒸気圧)になります。
↓
倒立メスシリンダーの中も同じ:メスシリンダーを水中で倒しても内部は水面と気相がある「湿った空間」だから、水蒸気が必ず存在して、その分の圧力(飽和蒸気圧)を与えます。
↓
だから純粋なH₂にはならない:発生するのが水素でも、水蒸気が“上乗せ”されるので内部は混合気体になります。