循環定義になりやすいので、まず「自然数そのもの」をラムダ項だけで自立して表す形(チャーチ数)を先に固定し、その後で succ を導きます。
チャーチ数 n は「f を n 回繰り返して x に作用させる」という反復そのものを λf.λx. … の形で埋め込んでいます。だから succ も「反復を 1 回増やす操作」として succ=λn.λf.λx.f (n f x) と内部で定義できます。
一方、0 と succ から 1=succ 0, 2=succ 1, … と作る定義は、考え方としては普通に正しいですが、「n 回 succ を適用する」という反復は結局メタレベル(ラムダ計算の外側の説明)で言っているだけになりがちです。純粋なラムダ計算だけで“自然数を表す閉じた項の族”を最初から具体的に与えるには、最初の並び(0=λf.λx.x, 1=…, 2=…)のように各項を直接書ける形のほうが都合が良いです。
不整合があるわけではなく、目的の違いです。純粋なラムダ計算では「0 と succ を公理的なコンストラクタとして持つ」わけではないので、まずエンコーディング(チャーチ数)を決め、その上で succ を定義する、という順番が説明として分かりやすい、という事情が大きいです。