右胸の板を栴檀板、左胸の板を鳩尾板と言います。
大鎧は身分の高い武士の鎧ですが、身分ある武士のメインウェポンは弓です。
大鎧は大弓を引きやすく設計されています。
胸の部分を胴と同じように1枚の板で覆ってしまうと腕の可動範囲が狭くなって弓を引きにくくなります。
かと言ってガラ空きにもできないので、プラプラと動きやすい板を襟元から下げることで、弓の引きやすさと胸の防御を両立させているのです。
弓を引いて離した時に、固定されている板に弦が引っかかり接触すると大変危ないので、板がプラプラ遊動していることはその点でも意味があります。
右胸の栴檀板ほうがやや大きいのは、大袖を小さくしたような作りで小札(こざね)を3枚重ねて柔軟性を持たせているからです。
右手で弓を引くので右胸のほうにより弦が引っかかる可能性があるので、柔軟性のある作りになっています。
左胸の鳩尾板はその可能性が低いので皮革の一枚板で強度を重視しています。