免疫寛容の概念は、免疫システムがまだ完全に機能していない状態で体内に存在していた抗原(この場合は、ヌードマウスの肌)を自己と認識し、免疫反応を起こさないようにすることを意味します。しかし、あなたが書いたように胸腺を移植しただけでは免疫寛容が達成されるわけではありません。
胸腺はT細胞の生成と成熟に重要な役割を果たしますが、免疫寛容を得るためには特定の条件下で免疫細胞を教育する必要があります。つまり、胸腺だけを移植した場合、そのマウスの免疫細胞はまだ自己以外の物質(外来物質)に対する適切な反応を学んでいません。
さらに、外来の組織(ヌードマウスの肌)を移植した場合、その組織はまだ免疫細胞に認識されていない可能性があります。そのため、免疫細胞はその組織を外来物質と認識し、免疫反応を起こして組織を攻撃する可能性があります。これが脱転する原因となります。
免疫寛容を得るためには通常、外来組織を移植する前にその組織の抗原をマウスの免疫細胞に接触させる必要があります。また、免疫抑制薬を用いることで、免疫細胞の反応を抑えたりすることもあります。このような措置を講じないと、外来組織が脱転することになります。