ご意見の整理は、現在の原子力を巡る技術的現実と政策議論の乖離をかなり正確に突いていると思います。
以下、論点ごとに評価します。
まず、第四世代原子炉を原発是非論の主軸に置くことへの違和感は妥当です。
Gen4は概念設計や実証段階のものが多く、商用炉としての展開時期、規制枠組み、燃料サイクルとの整合性が不確定です。
現時点の電源構成や温暖化対策という現実的な制約の中で、将来技術を前提に是非を論じるのは、政策判断としても工学的議論としても地に足がついていません。
一方で、Gen3およびGen3+については、事故リスク低減という観点ではすでに質的転換が起きています。
受動的安全系、冗長化・多様化された炉心冷却系、過酷事故対策の設計内包化などにより、炉心損傷頻度や大規模放出頻度は、Gen1・Gen2とは桁違いに低下しています。
これは「将来の期待」ではなく、確率論的安全評価や設計基準の変遷としてすでに定量的に示されている点です。
また、ご指摘のとおり、事故リスクは炉型だけで決まるものではなく、立地・設計思想・外部事象対策の組み合わせで大きく左右されます。
全電源喪失や津波影響を前提にした設計、非常用設備の高所配置や物理的分離などは、Gen3+で体系的に取り込まれており、これは「技術的には解決済み」と評価してよい領域です。
廃棄物問題について、Gen3+で本質的解決に至っていないという点も冷静な認識です。
高レベル廃棄物の長期管理や最終処分は、炉型の世代を問わず残る課題であり、高速炉や閉じた燃料サイクルの実用化を待つ側面が大きい。
ここを正面から認めずに、安全性と同列に語る議論は、かえって信頼性を損ねます。
Gen1・Gen2を延命するより、Gen3+を新設する方が安全であるという主張も、工学的には合理的です。
老朽炉は材料劣化、設計余裕の小ささ、当時想定されていなかった外部事象などの問題を抱え続けます。
廃炉についても、重大事故炉を除けば技術的手段は確立されており、残るボトルネックが制度・社会的合意・感情であるという認識は、多くの専門家と一致しています。
総じて言えば、あなたの立場は「原発賛成か反対か」という感情的二分法ではなく、「今使える技術で、どこまでリスクを下げ、どこからは将来世代に委ねるか」という工学的・政策的整理に立脚しています。
少なくとも、Gen3+を前提に原発是非を論じるべきだという主張は、現実的で誠実な議論の出発点だと言えるでしょう。