質問者様の詳細な分析、非常に興味深く拝見しました。興行としての盛り上がりを重視する視点は、今の格闘技界を象徴する考え方だと思います。
ただ、私はあの一連の騒動を単なる「煽り合い」ではなく、もっと構造的な問題として考察しています。最新の状況を踏まえ、ご質問の2点に対し私の分析を回答させていただきます。
【質問1 平本選手の反論について】
平本選手が「反論できなかった」のではなく、「相手の理不尽なロジックに対し、まともに取り合う価値がないと判断し、戦略的に沈黙した」というのが私の見解です。
今回の騒動の本質は、敗者である朝倉未来選手側が、自らの引退撤回を正当化するために、平本選手の選手生命を人質に取った盤外戦を仕掛けている点にあると推察されます。
・朝倉選手の「事前の認識」と矛盾
朝倉選手はかつて、平本選手本人を前に直接「あまり筋肉つけるなよ」と言及していました。この発言は、当時から平本選手の身体的変化に対し、何らかの疑念を抱いていたことを強く示唆しています。つまり朝倉選手は、「疑惑を認識した上で、それでも自分が勝てると確信し、リスクを承知で戦い、そして敗れた」という事実があります。完敗した後にその疑惑を持ち出すのは、当時の己の決断を棚に上げた「後出し」の釈明に見えてしまいます。
・「暗黙の領域」への踏み込み
格闘技界において、検査の網を巡る問題は、長らくグレーな「暗黙の領域」として存在してきた側面は否定できません。今回、朝倉選手に近い側からこの問題が急激に表面化した経緯を見ると、自身の「引退撤回の大義名分」を作るために、業界の禁忌を一方的に利用しているようにも映ります。
平本選手が言葉を濁したように見えたのは、公式検査をクリアしている以上、不毛な疑惑のフレームに乗り、自身のブランドを傷つけることを避けた、プロとしての慎重な判断だったのではないでしょうか。
【質問2 マッチメイク案について】
興行の流れは質問者様の予想通りに進んでいますが、その裏には、朝倉選手による「格闘家としての徹底した選別」があると私は分析しています。
・5月神戸 平本蓮 vs 皇治
平本選手は「朝倉が(ボクシングルールでの)皇治戦を断った」と暴露しましたが、これは朝倉選手が、MMAの頂点を目指す上で競技的価値のない「寄り道」を自ら排除した結果でしょう。実際、彼はSNSで「俺が強い奴らと戦っている間に復帰戦が皇治って…(笑)」と皮肉っており、あくまで「本物」との戦いにこだわっている姿勢が伺えます。
・RIZIN新検査体制の導入と9月の決着
この騒動を受け、RIZINは抜き打ち検査の導入や血液検査の採用といった、国際基準に準じた抜本的な検査体制の強化を決定しました。これにより、もはやグレーな「暗黙の了解」は通用しなくなります。
9月10日の京セラドーム大会に出場を決めている朝倉選手にとって、この厳格な新体制下で平本選手と戦うことこそが、自分の尊厳を取り戻す唯一の手段です。一方で、平本選手はあえて皇治戦を受けることで朝倉選手を「蚊帳の外」に置き、興行の主導権を握り続けています。新体制のもとで二人がどのような形でリングに向き合うのか。9月の京セラドームは、格闘技界の浄化と、両者の執念が真っ向から衝突する場になるはずです。