「ばらつきがある」ことの最大の要因は、「高校入試時の試験教科になっていないこと」です。
試験の教科になっていれば、出題が想定されることは一通り漏らさずカバーしなければならなくなります。
逆に、入試で触れられないのなら、中学校の授業で実際に何をするかの自由度がすごく高くなるワケ。
仮にそうじゃなくても、
一般に個々の教員には得意・不得意(できること・できないこと)があります。
苦手なこと、できないことは、スルーしがち。
また、実験や実習などの場合、教員の不得意だけが問題になるのではなく、生徒側の具合も関係してきます。たとえば、いわゆる「荒れた」状態のクラスで、教員の指示に従えない生徒が多ければ、危険をともなうような作業は行えません。
なお、これは家庭科に限った話ではないですよ。
「五教科」においても、実際の授業内容にはばらつきがあります。
もちろん、上記の通り、高校入試時に出題される部分については最低限カバーに努めるでしょうけれど、
出題されない部分については・・・ということ。
生徒さん一般にしばしば勘違いされることですが、高校入試では「重要なところが(全て)出題の対象にされる」ワケではありません。「出題し易いところが出題される」と見るべき。
つまり、「本当は重要なのだけれど、出題し難い内容だから出題されない」ということは、いっぱいあるのです。
そして、「入試で出題されないから、生徒は勉強しない、教員は授業で扱わない」ということにもなり易く、そうした姿勢が知識の習得のさまたげになることも多い。
それが特に起きやすいのが、理科や社会科でしょうね。
理科の各種実験や観察にかかわる部分、社会科であれば地図や統計データを処理するような作業や校外学習(いわゆる社会科見学、地域の調査)。
理科に関しては、教員が免許を取得するうえで、いちおう大学で最低限の実験科目は履修しますから、「全く実験ができない」という教員は居ないと信じたいですが、
社会科の方は・・・・残念ながら、事実上、かなりイーカゲンです。
地形図の等高線なんて、まともに読めない教員の方が圧倒的多数派でしょう。
統計データを読むようなこと(簡単な分析をしたり、グラフや統計地図を描いたり)なんていうようなことも、満足にできる者の方が少ない。フィールドワークなんて、ほぼムリゲーです。
これらは社会科を学習するうえでの基礎的スキルなのだけれど(だから導入部分は小学校で扱うことになっているけれど)、それがそのまんま入試の問題になることはないですね(そんな出題をするなら、試験時間を延ばす必要がありますし、採点も難しくなります)。
なお、いちおう少し教員を弁護しておくと、
こういった実験や作業を授業で行う頻度が減った(ばらつきがある)要因は、教員の能力のせいばかりではなく、授業時間数が不足気味であることも関係しています。
でも、たとえば地図の読み描き作業なんかは、中には十分にやっている教員もいますから・・・昔は多かったのですけど、今は1~2割といった程度ですかね。
こういったことも、他校出身の人に聞いてみると、違いを知れるかもしれませんよ。