こんばんは。
急性膵炎では、薬の選択というより「どの生理的問題を先に安定させるか」が治療の軸になります。
最優先は循環の維持で、脱水や血液濃縮があれば輸液が中心になります。
輸液は膵臓の血流を改善し、二次的な臓器障害を防ぐ意味でも最も重要な介入です。
次に重視されるのが鎮痛です。膵炎の痛みは強く、疼痛が残ると交感神経の亢進や食欲低下を招き、回復を遅らせます。
実際にはオピオイド系を主体に、必要に応じて持続投与が行われます。
制吐薬は嘔吐の有無だけでなく、悪心による食欲低下を抑える目的でも早期に使われることが多いです。
これらは「輸液→鎮痛→制吐」の順に優先されますが、実際には同時に組み合わせて使われることがほとんどです。
抗生剤は重症例や感染が疑われる場合に限定され、ルーチンでは使用されません。
慢性膵炎では、急性期のような強い支持療法は不要なことが多いものの、痛みが断続的に出るタイプでは鎮痛薬を間欠的に使うケースがあります。
また、悪心が周期的に出る犬では制吐薬を短期間使うこともあります。
ただし、慢性例で長期的に薬を続けるのは例外的で、基本は食事管理と再燃予防が中心になります。
臨床的には、急性期は「複数の支持療法を同時に行う」、慢性期は「必要な時だけ最小限の薬を使う」という運用が現実的です。