今回の文は、
「何が省略されているのかを一度立ち止まって考えないと誤解しやすい文」なのです。
この文はかなり上級者向けの省略なので、疑問に思われたのは非常に自然です。
こうした「何が省略されているのか」を正確に見抜けている点は、かなり高い読解力だと思います。
結論から言うと、
「but の後ろで it was が省略されている」
その it は that 節(=彼女が研修セミナーで話す必要があるという事実) を受けているという理解は、ほぼ合っています。
ただし、省略が起きている理由は「主語が同じだから」ではないんです。
Ms. Zhao should have been informed that she was required to speak at a training seminar, but only found out on the day.
(趙氏は研修セミナーで話す必要があることを知らされるべきだったが、当日になって初めてそれを知った。)
but の後ろを自然に補うと、次のようになります。
but (she) only found out (about it) on the day.
ここで重要なのは、省略されている主語は it ではなく she で、it は actually found out の目的語側に関係します。
おっしゃる通り、it が指す内容は、
that she was required to speak at a training seminar
という 事実(内容) です。
ただし、
it was found out の it(形式主語)が省略されているのではなく、
found out (about) it の it(目的語)が省略されていると考えるのが正確です。
なぜ主語が違っても省略できるのかを考えると
実はここでは、主語が違うのに省略しているという状況ではありません。
実際には、主語は 一貫して Ms. Zhao(= she)
but の後ろでは she が省略、about it も省略されています。
つまり、
Ms. Zhao should have been informed ...,
but (she) only found out (about it) on the day.
という 並列構造 です。
なぜ it / about it は省略できるのかというと
内容が直前で明確だからで
found out は「何を知ったか」が文脈で明らかな動詞
英語では同一内容の繰り返しは積極的に省略されるからです。
特に
found out
は
「(その件を)知った」という意味で目的語を省略するのが非常に一般的です。
長くなったのでまとめておきます。
it が指す内容の理解は正しい。
it was が省略されているわけではない。
省略されているのは
主語 she
目的語 (about) it
* 主語は実は同じなので、主語不一致による省略問題は起きていない。