HiD以降の音域で「地声成分が減り、支えがきつくなる」というのは、高音域を維持するための喉の閉鎖力(チェストの成分)を維持しつつ、さらに裏声の伸展力(ヘッドの成分)も同時に高める必要がある段階です。
結論から申し上げると、地声のトレーニング不足というよりは、「高音域での地声と裏声のバランス(比率)を変化させる筋力」がまだ足りない、あるいはhiD以降では「閉鎖が強すぎて喉が締まっている」可能性があります。
以下に、音域をさらに広げるためのトレーニングとアプローチを提案します。
1. 「地声成分」を増やす(閉鎖筋の強化)
hiD以降で息漏れしてしまう、あるいは声がひっくり返る場合、声帯を閉じる筋肉が限界を迎えています。
★エッジボイス(ボーカルフライ)からの発声
のどを閉じた「ア゛ア゛ア゛…」という怪談のような声(エッジボイス)から、そのまま滑らかに裏声に移行する練習をします。
閉じた状態から優しく開く感覚を覚え、高音でも声帯が閉じ続ける力を養います。
★閉鎖系フレーズの練習
「Na-Na-Na」や「Gug-Gug-Gug」など、閉鎖を促す発音で、hiC〜hiEくらいをスケール練習します。特に「G」は声帯をしっかり閉じやすく、地声成分を高めるのに効果的です。
2. 「裏声成分」を維持しつつ限界を上げる(輪状甲状筋の強化)
裏声がhiG#まで出るとのことですので、基礎的なヘッドボイスの伸展力はあります。しかし、hiD以降のミックスボイスでは、その裏声の裏に「しっかりとした閉鎖(地声)」が必要です。
★リップロール・タングトリルでの高音アプローチ
唇を震わせながら(リップロール)、hiD以上の高音まで滑らかに移動します。
これにより、喉に負担をかけずに閉鎖と伸展のバランス(ミックスボイスの型)を維持する感覚をつかめます。
★「i」や「u」母音でのサイレン練習
裏声に近い「i」で高音(hiD〜hiF)を出し、少しずつ地声の「ア」に近づけるような感覚でミックスボイスを強化します。
3. hiD以降の支え・共鳴の意識(支えと喉の空間)
hiD以降がきつくなるのは、喉が狭くなっているか、息の圧力が正しくかかっていない(喉に負担がかかっている)可能性があります。
喉を開いた状態の維持
あくびの動作をして、喉の奥が広がった状態を保ちます。喉が開いていると声がスムーズに流れ、高音が出しやすくなります。
鼻腔共鳴(鼻へ響かせる)
鼻の奥、あるいは頭頂部に声を当てるイメージで、ミックスボイスを響かせます。これにより声が軽くなり、地声成分が減ってもhiD以降のパワーを維持しやすくなります。
息の圧力を安定させる(支え)
お腹周りの腹圧を常に高め、高音に行けば行くほど、逆に息を流す量は「少なく」するイメージを持ちます。
4. おすすめの練習ステップ
①エッジボイスで声帯を閉じる。
②その状態から「Gug」の音で地声の閉鎖を保ちつつ、高音へ。
③高音で息っぽくなったら、鼻腔(鼻の奥)に響きを集める。
現在の「mid2G〜hiA#」が滑らかに繋がっているなら、その感覚を少しずつ上にずらしていくイメージで、毎日少しずつ高い音に挑戦してみてください。