数学は、闇雲にたくさん勉強してもできるようにはなりません。
(1)わからなくなってから、わからないところをたくさん勉強しても、できるようにはなりません。
(2)模範解答などを見ながら、できるだけたくさんの公式や解法をたくさん読んでも、読むだけでは身に付きません。
(3)テストや課題提出日の直前などに、長時間まとめて勉強しても、記憶に残りません。
数学の勉強方法は、①わかるところから順番に、②自力で、③毎日、短時間です。
以下、解説です。
①
数学は積み重ねの学問です。
数学の勉強は「わかる問題を解く経験」を基礎にして「わかるところ」を積み上げていくものです。
国語の勉強も最初は「ひらがな」や「カタカナ」を読んだり書いたりできるようにしてから、漢字や慣用句を勉強していきましたよね。
数学で、わからない問題で躓いたなら、その基礎となる過去の内容を身に付けていないと言うことです。
国語で例えるなら、前の学年で習っておくべき漢字や慣用句の意味を覚えないまま、その漢字や慣用句が使われている文章を読もうとしているようなものです。
数学が苦手な人は、今、習っている単元の基礎問題だけを基礎と思い込んでいることがありますが、
数学の基礎は、それまでの算数・数学の授業内容すべてです。
数学の応用問題は、それまでの算数・数学で習った内容を組み合わせて解くように作られています。
応用問題が苦手な人は、それまでの算数・数学で習った内容を直ぐに思い出せない(身に付けていない)ことが多いです。
中学数学の教科書は算数がすべて理解できていることが前提で書かれています。
各学年の教科書は、過去の教科書の内容がすべて理解できている前提で書かれています。
教科書を読んでも「わからない」でつまづいた時、その学年の教科書に「わからない」をわかるようにする説明は書かれていません。
参考書は、その参考書に書かれた内容に特化した解説しか書かれていないので、基礎の説明が書かれていないことがあります。
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間違えた問題の解き直しをしても、時間ばかりかかって、できるようにならないのはコレが原因です。
基礎の説明が書かれているのは、過去の教科書です。←ここ重要。
「わからないところ」があったら、過去の学年の「わかるところ」まで戻って
そこから「わかる」を順番に積み重ねるようにしないと、
問題文や説明文を読むだけの時間ばかりになって、後述の自力で解く練習ができなくなります。
基礎は「小学校で習った漢字は、見ただけで読める・書ける」のと同じくらいに
「過去の単元の教科書レベルの基礎問題は、見ただけで解法が思いつく・解ける」になるまで
繰り返す習慣にして身に付ける必要があります。
勉強方法としては、簡単と思える学年の内容を
「前回は10分で3問解けた。今回は10分で4問解けた。次回は10分で5問解けるかやってみよう」など
早く正確にできるようにする練習が効果的です。
基礎問題を見ただけで解法が思いつく・解けるレベルになると、
テスト時間内で解いた問題の検算をしたり、捨て問に挑戦する余裕ができたりします。
②
数学の勉強は、言葉を聞いたり読んだりして理解するだけでは不十分です。
自転車の乗り方を本で読んで言葉を覚えても、
自分で自転車をこぐ練習をしなければ、自転車の乗り方が身に付かないのと同じです。
他人に教えてもらった時だけ分かったと感じるのは、他人に自転車を支えてもらいながら自転車に乗っている状態です。
模範解答の書き写しや暗記は、補助輪を付けた自転車練習と同じです。
YouTubeなどの動画は、上手に自転車に乗っている他人を見学しているのと同じです。
最初は、他人に教えてもらうのも他人が解くのを見学するのも模範解答を見るのも構いませんが、最終的には他人に頼らず、自力で解けるようになるまで練習をしなければ、身に付きません。
数学が得意な人が言う「数学は暗記」と数学が苦手な人の「数学は暗記」は「暗記」の意味が違います。
数学が得意な人が言う「暗記」は「覚えた基礎知識を自力で組み合わせて、いつでも使える状態」です。
数学が苦手な人が思い込んでいる「暗記」は「覚えた基礎知識を文字や文章で書き出すことができる状態」です。
例:あるテスト問題を見たとき
得意な人「覚えた公式を“使う”だけだから余裕」
苦手な人「覚えた公式は“書ける”けど、どうすれば解けるの?」
「解法や公式を覚えた」と「解法や公式の使い方を身に付けた」は違います。←ここ重要。
数学の応用力は、読んで覚えるのではなく、基礎知識の組み合わせの試行錯誤の経験をして身に付けるものです。
国語で漢字や慣用句をたくさん書けるだけでは、分かりやすい文章や面白い文章が書けないのと同じです。
教科書や問題集の模範解答を暗記しても、自力で基礎知識を組み合わせて使う練習をしていなければ、公式や解法は、上手く使えるようにはなりません。
解答を見ずに問題を解けるようになったら「次回は同じ問題の数値を適当に変えて同じ解法で解けるか試す。その次は模範解答とは違う解法を自分で考える」などのように、
他人の作った模範解答の模倣だけではなく、自分で試行錯誤する経験を積むかたちの勉強をプラスするのが効果的です。
③
勉強は「何時間やったか」ではなく「学んだ知識を何回使ったか」です。
しかし、一度にまとめてやっても身に付きません。←ここ重要。
集中力がきれた(疲れた)状態で長時間勉強しても身に付きません。
「集中力が切れたら、また明日」です。
自力で知識の組み合わせを考えて使う練習をおろそかにした知識は身に付きません。
1日でまとめて何十回「読んで理解した」と思っても、使わなければ1ヶ月後には、ほぼ忘れます。
使う練習をしないで覚えた知識は、すぐに忘れてしまい、
忘れたら思い出すことはできず、改めて勉強し直すことになります。
これは、過去の知識を積み重ねていく数学では致命的です。
数学のテストを自転車レースに例えると
数学が得意な人は、自力で自転車に乗れる状態でレースに出場しています。
数学が苦手な人は、補助輪を付けた状態で自転車レースに出場しています。
本物の自転車とちょっと違うのは、補助輪が、直ぐに壊れることです。
このため、自転車に乗れない人は、レースの度に補助輪を付ける作業(テスト勉強)を繰り返します。
しかし、自力で乗れるようになるまで練習しなければ、自転車には乗れないままです。
使う経験で身に付けた知識は、忘れても、きっかけがあれば直ぐに思い出すことができます。
自転車に自力で乗れるようになるまで練習しておけば、数年間自転車に乗っていなくても、
少しこぎ出せばすぐにまた乗れるのと同じです。
数学が得意な人が「導出や過程を理解する」を重要視するのは、「忘れた時の思い出すきっかけ」を少しでも多くするためです。
時間をかけずに「最短で解く方法」や「解いた結果」だけしか覚えていなければ、「忘れたらまた一からやり直し」となります。
覚えた知識を忘れた時、すぐに思い出せるか、一からやり直すかの違いは、その知識を使った経験の差でしかありません。
また、テスト時間は有限です。
短時間でアウトプットできなければ、テストで点はとれません。
毎日、時間を決めて、その時間内で何問できるか(学んだ知識を何回使えるか)集中してやるのが効果的です。
数学の勉強は、①わかるところから順番に、②自力で、③毎日、短時間です。
頑張ってください。