電気陰性度とイオン化傾向は異なる概念であり、必ずしも相関しません。
・電気陰性度:共有結合において電子を引き寄せる能力を表す指標です。ナトリウム(0.93)よりカルシウム(1.00)の方がわずかに大きい値を示します。
・イオン化傾向:金属が電子を失って陽イオンになりやすい傾向を表します。カルシウムの方がナトリウムより大きくなります。
この逆転が起こる主な理由は以下の通りです。
・カルシウムは2価の陽イオン(Ca²⁺)、ナトリウムは1価の陽イオン(Na⁺)になります。
・Ca²⁺の水和エネルギー(イオンが水分子に囲まれて安定化するエネルギー)は、電荷が大きいため非常に大きくなります。
・第二イオン化エネルギーを含めてもなお、水和エネルギーによる安定化が大きいため、カルシウムの方がイオン化しやすくなります。
つまり、イオン化傾向は単に電子を失う過程だけでなく、生成したイオンの安定性(特に水溶液中での水和)も含めた総合的な指標であるため、電気陰性度とは異なる順序になります。