犬鳴村の「この先、日本国憲法は適用しません」という表現は明らかに法の誤用であり、「この先、刑法は適用しません」と改めるべきではないだろうか。憲法は、国家権力を制約し、国民の権利を守る規範である。したがって、憲法が適用されない空間は、国家による無制限の武力行使を許容する空間となり、恐怖の文脈と矛盾する。恐怖の根源が「殺人が処罰されない無法地帯」にあるならば、否定されるべきは、犯罪を裁く根拠となる刑法である。義務教育レベルの知識を踏まえても、人権保障の枠組みである憲法ではなく、刑法の不在を強調する方が、法治国家の及ばない状況への絶望感を表現する上で、より論理的で的確な表現と言えるのではないだろうか。