第二次大戦頃と比べ現代の海上戦力はレーダーの発達や長距離ミサイル、潜水艦の隠密性の向上などが見られますが通商破壊の難易度は難しくなってるんですか?それとも容易になっているんですか?

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1124843

2026-07-22 19:40

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「通商破壊」とは何を意味するのか。それによって答えは大きく変わります。



ネットを見ていると、「通商破壊」の「商」にとらわれすぎて、「商船」を沈めること、と強く思い込んでいる人をよく見ます。

例えば、第二次大戦時の日本が通商破壊戦をあまり実施しなかった事を「日本の周辺には米英の商船航路が無かったから」と言う事などがそうですね。



もちろん、海上輸送の大半をになっているのは「商船」である事に間違いはありませんが、だからと言って「商船」が運ぼうが、軍隊に所属する「輸送船」が運ぼうが、「物資を運ぶ」事には違いはありません。例えば、第二次大戦が始まる前の日本の石油輸入先のトップは長らくアメリカ合衆国でした。今と異なり、石油化学工業も未発達、自動車の数が非常に少なくてガソリンの需要もそれほどなく、鉄道や民間船舶の燃料の中心は石炭(しかも国内炭)でしたので、アメリカから石油を運ぶのに民間のタンカーは殆ど無く、主に海軍の油槽船が使われていました。海軍は戦時には艦隊給油艦として使うつもりで油槽船を建造、保有しており、平時にはアメリカから買い付けた石油を日本に運ぶ中心となったのは海軍の油槽船(つまり、海軍の「油槽艦」であって「商船」ではありませんでした。だから、「商船」に限定して考えるなら開戦後、アメリカ潜水艦が日本海軍の油槽艦を攻撃した事は「通商破壊」ではない、ということになってしまいます)



もちろん、海上輸送の大半を担ってるのはほぼ全て「商船」ですから、「通商破壊 」=「商船攻撃」と思っても全くの間違い、とまでは言えないのですが、正しくは「物流を止めること」と考えるべきでしょう。



そういう前提で考えれば、物理的に商船を攻撃する事と、限定せずに、「物流を、機能しなくする事、止めてしまう事」と考えるならば、「通商破壊」の方法、手段、態様は大きく異ってきます。

質問者さんの仰る「レーダー、長距離ミサイル、潜水艦の、隠密性」は、「商船を沈める事」ですね。



原油でも、それ以外の品物でも海上輸送には必ず「海上保険」をかけます。保険料はもちろん運賃を設定するときは保険料を含めますが、戦争が起きたり、武力衝海衝突が起きた

海域を航行する船舶は保険料が相当高くなります。ペルシャ湾ほような状況は巻き添えを食う危険がある、という事で直接的にタンカーが攻撃のターゲットとされてる訳ではありませんので、通常の保険料の10〜30%増しだそうですが、ある国と国が戦争を始め、一方の国が相手国の船舶や、ある特定海域を航行する船は攻撃対処とする、とでも宣言したら保険料は通常の数倍〜10倍以上になる事さえあります(保険会社は自社が引き受けた保険をさらに複数の保険会社に再保険をかけてリスク分散しようとしますが、再保険を引き受ける保険会社がいなくなる)

海上保険料が何倍、何十倍に無れば、当然海上輸送の運賃もバカ高くなります。国際貿易は実質的に不可能になります。

その国の輸出入を止める効果、という意味では「通商破壊」はやりやすくなった、とも言えるわけです。



よく、「中国が日本のシーレーンを攻撃すれば日本はおしまいだから、空母を何隻も保有して日本のシーレーンを守らねばならない」という人がいますが、商船が船団を組んでジグザク航行し、周りを護衛艦艇で取り囲んで潜水艦が近寄れないようにする、という第二次大戦のイメージで頭の中身が止まってます。



もし、中国が日本のシーレーンを攻撃する、というのなら、逆に中国に出入りする商船を攻撃すればよいのです。何も、世界中で中国船を攻撃する必要などありません。中国大陸沿岸の海域を指定して船舶を攻撃する、と宣言すればそれまで、です。中国の港に出入りしようとする船舶の保険料がバカ高くなりますから、価格の安さを強みに世界中で売れまくっている中国製品は海上保険料の引き上げが、運賃に上乗せされ、耐え難いような輸送費用が製品価格になるでしょう。そうなれば、中国経済は確実に破綻します。



だから。ミサイルやレーダーが発達したから通商破壊かやりやすくなってるのか、というより、第二次大戦当時とは全く比較にならないくらい国際貿易、物流か増え、世界中の結びつきが強くなっているからある意味「通商破壊」はやりやすくなっている、と考えるべきでしょう。とりわけ、日本や中国のように海外との貿易に大きく依存している国の場合は。経済を崩壊させ、国民生活に大打撃を与えることはやりやすくなっていると言えるでしょう。

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