「釋」(釈;しゃく)とは、浄土真宗で法名(他宗派の戒名に相当)の前につける文字です。
釋◯◯、のように、漢字二文字をつけて法名とします。
他の宗派と違い、浄土真宗ではいわゆる「戒名」がありません。戒名は本来出家した人がもらう名前ですが、江戸時代あたりから、これを個人で受けるのが流行りました。故人の生前の功績や信仰の深さによって細かくランク分けされ(この場合功績や信仰の深さはお寺への経済的な支援)、富裕層がいい戒名を大金で取引するような状況まであらわれました。浄土真宗は、もともと「死んでまで格差社会かい!」と、戒名を金で取引するような状況に違和感を抱くような貧困層や、生きるために戒めを破りがちな下層階級出身者のための宗派ですので、戒名をつけない、ということになったのかと思います。
また浄土真宗は、「他力本願(絶対他力)」(如来の本願によって、全ての人が成仏できる)という考え方ですから、死んだ時に「戒めを守って出家する」という手続きをとらなくても、自動的に「仏様」になります。なので戒名は必要なく、ただ、生き残った人々が、呼び名がないと葬儀をやりにくいので便宜的に法名をつけることにしたのです。