先日、夫の遺産のタンス預金(9950万円)を詐欺師にだまし取られたと言う事件がありましたが税務署はその遺産に相続税を請求しますか?取られたとは言え相続したのは事実ですよね。

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1004031

2026-02-25 12:35

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結論から言います。
税務署は相続税を請求します。
「だまし取られた=なかったこと」にはなりません。

理由を、順を追って整理します。

① 相続税は「取得した事実」で課税される

相続税は、

・被相続人が亡くなった時点で存在した財産
・相続人が取得した(取得できる立場に立った)財産

に対して課税されます。

今回のケースでは
タンス預金9,950万円は、死亡時に存在し、妻が相続した財産
→ ここまでは事実として確定しています。

その後に

・詐欺に遭った
・盗まれた
・失った

という事情があっても、課税関係には影響しません。

②「盗まれた=相続していない」にはならない

よくある誤解ですが、

盗られたのだから、実質的に相続していないのでは?

これは税法上は通りません。

理由は単純で、

・相続 → いったん財産は自分のものになった
・詐欺被害 → その後に第三者へ移転した

という二段階の出来事だからです。

税務署の見方は一貫していて、

「相続した後にどう使おうが、どう失おうが関係ない」

です。

③ 相続税で「被害控除」「損失控除」はできない

相続税で控除できるのは、

・被相続人の借金
・葬式費用

など、死亡時点で確定していた負担だけです。

詐欺被害は

・相続“後”の出来事
・被相続人の負担ではない

ため、相続税の控除対象にはなりません。

④ 所得税でも原則、救済はない

「盗難損失」として所得税で何とかならないか、という点もよく聞かれますが、

・相続で得た現金は「生活用財産」
・詐欺被害は原則、雑損控除の対象外または極めて限定的

となり、現実には税金が戻るケースはほぼありません。

⑤ 例外があるとすれば?

例外が成立するのは、かなり限定的です。

・死亡前にすでに詐欺師に渡っていた
・名義も実質も被相続人の財産とは言えない

と立証できる場合のみです。

しかし今回のように
「夫のタンス預金として存在していた」
「相続後に騙し取られた」
という構図なら、例外は成立しません。

▼結論(はっきり言うと)

相続税は請求されます。
詐欺に遭っても免除も減額もされません。

生活実感としては酷ですが、
税務署は「気の毒かどうか」ではなく
「相続時点で財産があったか」だけを見ます。

あなたの言う

「盗られたとは言え相続したのは事実ですよね」

これは税法上、完全に正しい認識です。

▼補足(相続放棄できるか?)

相続放棄が有効に成立すれば、相続税はかかりません。
ただし、申述期限は相続を知ってから3か月以内です。

しかしながら、相続財産を一切処分していないことが条件です。
現金が詐欺で渡った場合も処分扱いになります。

そのため、詐欺被害後の相続放棄は原則できません。

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