日本と中国がガチで戦争したらどうなりますか?2時間で中国が勝つという人がいますが 無理じゃないですか?

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2026-01-12 22:35

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台湾有事は自由の危機 「米軍頼み」を超えよ

正論2026年2月号 情報史学研究家 江崎道朗

■迅速に事態認定をできるのか

もっとも、こうした一貫した立場と危機管理の枠組みだけで台湾有事に対応できるのかというと、依然として多くの課題が残る。

ここではそのうち3つを指摘したい。

第1が、日本は果たして迅速に

「存立危機事態」

を認定できるのか、ということだ。

法律上は、台湾有事において米国が速やかに関与し、日本も直ちに存立危機事態の認定に踏み切るのであれば、自衛隊は米軍防護などの行動に踏み出し得ることになる。

しかし問題は、日本が「すぐに」存立危機事態を認定し得るのか、という点にある。

まず、日本政府の迅速な意思決定を支えるためには、紛争当事国の台湾側ともインテリジェンス上の連携強化と、我が国のインテリジェンスの司令塔たる国家情報会議、国家情報局の創設が急務だ。

加えて中国の政治的圧力だ。

台湾周辺に展開する米軍戦力の中核は、沖縄、横須賀、佐世保など在日米軍基地所在部隊であり、それらの基地は台湾有事における主要な拠点となる。

日本の主要港湾など後方支援拠点も中国側の攻撃対象となる可能性が高く、中国が日本政府に対して威嚇・恫喝を行った場合、日本がそれに屈せず、尚、米軍支援に踏み切れるのか。

特に核恫喝への対応については日米拡大抑止協議において米国と閣僚級の会合も行われるようになっているが、非核三原則の見直しを中心とした現実的な議論がもっと必要であろう。

このように台湾有事が現実のものとなりつつある現在、日本政府は

「台湾海峡の平和と安全が日本にとってどれほど重大な意味を持つか」

を、軍事だけでなく経済・金融を含む総合的観点から国民に丁寧に説明し、意思決定の基盤となる合意形成に努める必要がある。

■米軍が直ちに介入しなかったら

第2の課題は、台湾有事に際して米国がすぐに武力介入しない場合、日本は如何なる対応を取るべきかという点である。

米国は台湾防衛への関与について

「戦略的曖昧さ」

を維持しており、情勢や同盟国の支援状況を見極めながら介入の程度を決める余地を確保している。

太平洋正面での米中戦力バランスは中国優位との評価も多く、米軍単独で台湾有事に対処することは困難とみられる。

欧州諸国は平時には

「航行の自由作戦」

などで存在感を示すものの、本格的な武力紛争ではイラク戦争時と同様、米国に協力するとは限らず、日本とオーストラリアへの米国の期待は相対的に大きくなっている。

しかし、存立危機事態認定によって日本が出来る事は、米軍防護・支援であり、台湾防衛それ自体を目的とする共同作戦を明示的に想定した制度ではない。

そのため、他の同盟・同志国が及び腰であれば、米国自身が即時介入を躊躇う可能性も否定できない。

では米国が直ちに武力介入をしない段階で、目の前で台湾に対する武力攻撃が進行している場合、日本は如何なる対応を取るべきか。

この局面で日本が

「何もしない」

という選択は取り得ない。

最優先で取り組むべきは、台湾在留邦人に加え同盟国・同志国国民、台湾住民を含む非戦闘員退避である。

関与した米軍が攻撃を受けるという

「存立危機事態」

となれば、外国軍との協力・調整の下で退避計画を共同で実施することが可能だが、米軍の関与が限定的な段階で、非戦闘員退避をどう実施するのか。

仮に存立危機事態を認定しない段階で、台湾在留邦人を退避させるには自衛隊法84条の3・4に基づく

「在外邦人等の保護・輸送」

を用いることが考えられるが、これは相手側の

「政府」

の同意と安全な実施見通しが前提とされる。

台湾有事の際、その同意主体を台湾当局と見做すか、形式的に中国政府とするかで議論があったが、政府は国会答弁で

「派遣先国の同意」

を必要とするとの一般論を示し、実質的に台湾当局を実効支配主体として扱う立場を取っている(2022年3月8日、衆院本会議、林芳正外相答弁)。

よって、台湾

「有事」

に際して米国が直ちに関与しなかった場合に日本はどうするのか、複数のシナリオを準備し、台湾側とも訓練をしておかなければ、いざという時、対応出来ないからだ。

■米軍と共に戦わなくていいのか

第3の、より根源的な課題は、台湾有事に際して我が国は米国と共に戦わなくてよいのか、ということだ。

存立危機事態の下で自衛隊に認められる活動は、米軍への後方支援や武器等防護などに限定され、他国(台湾)防衛を直接目的とする

「フルスペック」

の集団的自衛権の行使は認められていない。

しかし台湾と米国が中国と存亡を賭して対峙している局面で、日本だけが後方支援にとどまり、台湾防衛そのものに関与しないでよいのか、という政治・倫理的な問いは残る。

そもそも台湾海峡の平和と安全は、我が国にとって死活的な国益ではないのか。

もし台湾防衛のために米軍兵士が命を懸けて戦っているのに、自衛隊が後方支援のみに限定され続ければ、米国内世論の反発を招き、日米同盟の信頼基盤を大きく揺るがすことになろう。

更に深刻なのは、仮に中国が日本の領域や自衛隊施設を攻撃し、日本が

「武力攻撃事態」

として防衛出動を発令する局面になっても、憲法9条の政府解釈の影響で、他国領域への武力行使には尚制約が残り、台湾防衛への積極的関与は困難である点である。

台湾「有事」になれば、台湾周辺の与那国島・宮古島・石垣島など南西諸島が被害を受ける恐れが高いため、我が国は武力攻撃事態対処法に基づき

「武力攻撃予測事態」

に該当すると判断して対策本部(内閣総理大臣が本部長)を設置し、

①警報の発令

②避難措置の指示

③救援措置の指示

④県域を超える避難住民の受け入れに関する指示

を関係都道府県知事に出すことができる。

仮に中国が日本の領域(領土・領海・領空)や自衛艦・自衛隊施設に攻撃を実施した場合は、武力攻撃事態等対処法により、内閣総理大臣が

「武力攻撃事態」

を認定し、対処基本方針案を国家安全保障会議に諮問し、閣議決定・国会承認を求める。

総理は、武力攻撃事態に際して自衛隊法76条に基づき自衛隊に

「防衛出動」

を命じることができ、事前に国会の承認を得る(緊急時は事後承認)。

防衛出動を受けた自衛隊は、自衛権発動の

「武力行使の3要件」

(我が国への武力攻撃発生、他に適当な手段がないこと、必要最小限の実力行使)

を満たす範囲で武力を行使して攻撃を排除する。

この自衛権の行使は

「我が国を防衛するための必要最小限限度」

であれば、公海・公空など国外にも及び得るが、他国の領土・領海・領空に自衛隊を送り込み、積極的に武力行使を行うことは原則として認められていない。

要は

「フルスペック」

の個別的自衛権の行使も憲法解釈上、出来ないのだ。

よって、防衛出動が下令されても、台湾本島を巡る本格的戦闘に自衛隊が関与することは想定されていない。

実際問題としても、自衛隊が中国人民解放軍と長期に渡り対等に戦闘を続け得る兵力と装備を備えているとは言い難い。

現状で日本が台湾有事に際して実行し得る現実的な役割は、米軍支援の他には、ウクライナ戦争におけるポーランドのように、避難民受け入れ、防衛装備品・経済支援、外交的支援などに限定されよう。

これらでさえ中国からの強い圧力が予想され、その実施は容易ではない。

■維新「提言」と憲法改正

こうした憲法上の制約を前提に、現行の安全保障法制と政府見解を抜本的に見直すべきだと主張するのが、日本維新の会による提言

「21世紀の国防構想と憲法改正」

である。

この提言は、憲法9条2項の削除による集団的自衛権の全面容認と、

「専守防衛」

から

「積極防衛」(フルスペックの自衛権行使という意味か)

への転換を打ち出している。

日米同盟の片務性への米側の不満が高まる中、同盟国として生死を共にする覚悟が必要だと指摘する。

提言では、台湾有事に際して前線に立たされるのが台湾・日本・フィリピンであり、台湾周辺海域が戦域となれば南西諸島や尖閣諸島も同一戦域に含まれること、南シナ海封鎖によって日本のシーレーンが遮断されれば日本経済は甚大な打撃を受けることなどを挙げ、

「台湾有事は日本有事」

であると位置付けている。

更に中国が台湾を足場にA2/AD(接近阻止・領域拒否)能力を強化すれば日米が台湾周辺の制海権・制空権を失い、日本の海洋国家としての生存条件が根底から揺らぐとして、日米豪比による集団防衛体制構築と、それを可能にする集団的自衛権全面容認が不可欠だと論じる。

残念ながら、自民党内の多数派は、これまで論じられてきた、自衛隊明記や緊急事態条項創設などに重心を置き、集団的自衛権全面容認までは踏み込むつもりがないようだ。

だが、2025年10月20日の自民・維新連立合意文書では、

「自立する国家」

として日米同盟を基軸に極東の戦略敵安定を支え、現実の安全保障環境び即応したリアリズムに立脚するとの方針を確認し、その一環として維新

「提言」

を踏まえた憲法9条改正の条文起草協議会を臨時国会中に設置することで合意した。

中国が台湾の武力統一の可能性を捨てない以上、我が国としては中国との激しい対立や摩擦を覚悟した上で、現行憲法と安全保障法制の限界を乗り越えていこうというわけだ。

台湾有事は、台湾だけの危機ではない。

我が国を含む自由主義陣営全体の危機なのだ。

中国、ロシア、北朝鮮という

「力による現状変更勢力」

に対して我が国は自らの自由と独立、繁栄を守るためにも米国、台湾、フィリピンなどと共に立ち向かわざるを得ない。

こうした厳しい現実を直視したいものである。

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