このタイプの悩み、実はかなり多くて「珍しい音痴」ではありませんので、その点はまずご安心ください。
音の階段が下りられないのは、才能の欠如というより「脳内エレベーターが一気に一階まで降りてしまう癖」がついている状態に近いです。階段を一段ずつ下りたいのに、気付いたら非常口から脱出している、みたいなことが起きています。
ご自身で挙げておられる
どんなときも。
や
BELIEVE
は、実は「下がりながら安定感を要求される」曲で、ゆったりしている分ごまかしが効きません。ここで構えてしまうのは、脳が「次は下がるぞ、失敗するぞ」と先回りして緊張しているためです。
コツとしては、下げようとしないことです。矛盾して聞こえますが、「音を下げる」と意識した瞬間に、音程を感覚ではなく計算で処理しようとして失敗しやすくなります。おすすめは、歌詞を完全に無視して「ラララ」や「うー」で、今出している音の延長線上に次の音があるつもりで歌う練習です。下がるというより「同じ音を少し低く言い直す」くらいの意識が丁度いいです。
また、音を取る時に喉で調整しようとするとズレが大きくなります。口の形と息の流れだけを変えて、音程は勝手についてくる、くらいの雑さがむしろ安定します。
ボイストレーニングについてですが、こういうケースは指導と相性が良いです。「音痴矯正」というより「音程の下り方の癖直し」に近いので、数回で改善する方も珍しくありません。
自分で何年も悩むより、専門家に「あ、そこ下げなくていいです」と言われて終わることもあります。
構えてしまうサビほど、実は力を抜いた方が通過できることが多いです。今は音程よりも、落ち着いて階段の踊り場に立つ練習からで十分だと思います。