まずは結論から申し上げます。
絶対にそのまま走行してはいけません。
ビードが上がっていない(均一にはまっていない)状態で走ると、走行中にタイヤが外れたり、バースト(破裂)したりする危険性が極めて高く、重大な事故につながります。「走れば馴染む」ということはまずありません。
「接着剤のようにくっついている」とのことですが、それはビードとリムの摩擦が大きすぎて噛み込んでしまっている状態か、リム側の汚れ(古いゴムカスや錆)が障害になっている可能性が高いです。
以下の手順で対処を行ってください。特に今は冬場(12月)ですので、ゴムが硬化しておりビードが上がりづらい条件が揃っています。
対処法ステップ(順に行ってください)
1. 一度空気を完全に抜き、ビードを落とす
3.4キロ(340kPa)入れても上がらない場合、それ以上無理に圧力を上げるとタイヤが破裂する危険があります(一般的に4キロを超えると非常に危険です)。
一度空気を完全に抜き、上がっていない部分のビードをホイールの内側に落とし込んでください。
2. ビードクリーム(または石鹸水)を追加で大量に塗る
「くっついているように見える」のは潤滑不足です。
一度落とした隙間から、これでもかというほどビードクリームを塗り込んでください。
クリームが届きにくい場合は、食器用洗剤を少し濃いめに水で薄めた「石鹸水」を霧吹きで、隙間とリムのハンプ(出っ張り)部分にしっかり吹き付けてください。ビシャビシャにして滑りを良くするのがコツです。
3. タイヤを温める(重要)
現在の季節(12月)では、ゴムが冷えて硬くなっているため、非常に上がりづらいです。
日向に置く、ファンヒーターの前に置く(近づけすぎ注意)、ドライヤーで温めるなどして、タイヤ全体を温めて柔軟性を出してください。これだけで「パンッ」と上がることがよくあります。
4. 虫(バルブコア)を外して一気に空気を入れる
空気を入れるバルブの中にある「虫(バルブコア)」を、虫回しを使って外してください。
虫がない状態でエアコンプレッサーなどを繋ぐと、抵抗がなくなり爆発的な勢いで空気が入ります。
この「空気の勢い(衝撃)」でビードが一気に持ち上がることがあります。
上がったら、空気が抜ける前に指でバルブを押さえるか、素早く虫を戻して適正圧に調整します。
5. 衝撃を与える(プラスチックハンマー等)
空気を少し入れた状態(2.0~3.0程度)で、上がらない部分のタイヤのサイドウォール(側面)やトレッド面(地面に接する面)を、プラスチックハンマーやゴムハンマーで叩いたり、タイヤ自体を地面に強めにバウンドさせたりしてください。
衝撃でゴムの噛み込みが外れ、定位置に動くことがあります。
それでもダメな場合:リムの確認
一度タイヤを完全にホイールから外し、リム(ホイールの縁)の内側を確認してください。
古いタイヤのゴムカスや錆がこびりついていませんか?
段差になっている部分(ハンプ)に汚れがあると、そこでゴムが止まってしまい、接着剤でついたように動かなくなります。
ワイヤーブラシやサンドペーパーでリムの内側をツルツルに研磨してから再度組み付けてください。
まとめ
走行は絶対NGです。
無理に圧力を4キロ、5キロと上げ続けるのは爆発の危険があり命に関わります。
「潤滑(ヌルヌルにする)」「温度(温める)」「勢い(虫を抜く)」の3点で解決することがほとんどです。
安全第一で作業を行ってください。どうしても上がらない場合は、ホイールごとバイク屋さんに持ち込んで、業務用コンプレッサーの力(タンク容量が大きいので勢いが違います)を借りるのも一つの手です。