マルト・スタムのカンティレバーチェア(一般的に「S33」と呼ばれるモデル)は、バウハウスを象徴する名作ですが、おっしゃる通りリプロダクト(ジェネリック品)も非常に多く流通しています。
本物(正規品)かリプロダクトかを見分けるための、主なチェックポイントを整理しました。
1. 「THONET(トーネット)」社の刻印やラベル
マルト・スタムがデザインしたこの椅子の正統な製造権を持っているのは、ドイツのTHONET(トーネット)社です。
フレームの刻印: 椅子の脚(スチールパイプ)の底面付近や、背もたれの後ろ側のパイプに「THONET」の刻印があるか確認してください。
ラベル: 座面の裏側にTHONET社のステッカーや、製造年・シリアルナンバーが記載されたラベルが残っている場合があります。
サイン: デザイナーである「Mart Stam」のサインが刻印されているモデルもあります。
2. パイプの「継ぎ目」と「端の処理」
ここが最も分かりやすいポイントかもしれません。
正規品: パイプの端(エンドキャップ)が別パーツではなく、溶接されて一体化し、滑らかに研磨されています。まるで一本の連続した棒のように見えます。
リプロダクト: パイプの切り口にプラスチックや金属の「キャップ(蓋)」がはめ込まれているだけのものが多いです。
3. 素材の質感(革とスチール)
革(サドルレザー): 正規品は非常に厚みがあり、硬くしっかりとした本革を使用しています。長年使われていても型崩れしにくく、使い込むほどに艶が出ます。リプロダクトは合皮や、薄い再生皮革(ボンデッドレザー)が使われていることが多く、質感が軽いです。
ステッチ: 革の縫い目が非常に丁寧で均一なのが正規品の特徴です。
4. 構造的な特徴
座面裏のスプリング: 座面の裏側を見ると、革のテンションを保つための紐やスプリングがあるはずです。正規品はこの構造も非常に堅牢です。
滑り止め: 脚の底面にあるプラスチックのグライド(滑り止め)の形状や、そこにロゴがあるかどうかも判断材料になります。
【補足:イタリア製リプロダクトについて】 マルト・スタムの椅子は、イタリアのメーカー(Matteo Grassi社など)が高いクオリティで制作していた時期もあります。これらはTHONET社製ではありませんが、ヴィンテージ市場では「高品質なイタリア製リプロダクト」として価値が認められることがあります。この場合、座面や背面の革に「MADE IN ITALY」と型押しされていることが多いです。
もしよろしければ、「パイプの端がどうなっているか(キャップか、溶接か)」や「革に何か文字が彫られていないか」を一度詳しくチェックしてみてください。
さらに詳しく知りたい場合は、特徴的な部分(パイプの角や裏側など)の写真を添えていただければ、より具体的な推測ができるかもしれません。