混乱する感覚はとても自然です。
あなたの理解は「日常的な快適さ」や「一般的な楽しさ」という観点では、まったく間違っていません。
まず、「上まで回したら楽しい」という言葉は、「速い」「楽」「扱いやすい」という意味とは別の軸での楽しさを指しています。
中低速が速い、というのは、発進や街中、少ない回転数でアクセルを開けたときにトルクがあり、すぐ前に出るということです。
これは確かに快適で、疲れにくく、「楽しい」と感じる人が多い要素です。
390DUKEがこちらに寄っている、という評価は妥当です。
一方で「回して楽しい」というのは、エンジン回転数を高めていったときに、音・振動・加速の伸び・レスポンスの変化がはっきり感じられ、ライダーが積極的に操作している感覚を得られる、という意味です。
回転数を上げるほどキャラクターが立ち上がり、「ここからが本番だ」と感じられるエンジン特性を指しています。
RC390は、前傾姿勢、ギア比、スロットルレスポンス、吸排気のチューニングなどが、高回転域を使う前提でまとまっています。
そのため、低回転ではおとなしく感じても、回転を上げていくと急に生き生きしてくる。
そこで「自分で回して引き出している感覚」が強くなり、それを楽しいと感じる人がいる、ということです。
重要なのは、これは「どちらが速いか」「どちらがパワーがあるか」という話とは少しズレている点です。
カタログ上の最大出力や排気量差が小さくても、どの回転域で気持ちよさが集中しているかは別物です。
DUKEは中低速の扱いやすさを、RCは高回転を使い切る快感を重視している、という性格の違いです。
あなたの「中低速が速いほうが快適だし楽しいじゃん?」という感覚は、街乗りやツーリングを基準にすると極めて合理的です。
実際、多くの人にとってはその通りです。
ヲカライダーの発言の意図は、「楽=快適」ではなく、「楽=能動的に操作して高回転まで使い切る高揚感」という価値観を語っている、という点にあります。
RC390は、こちらから踏み込まないと本性を見せない。
その“手間”や“緊張感”を含めて好きだ、という意味です。
つまり、あなたが分からないのは当然で、「好みの物差しが違う話」を聞いていた、というだけです。
どちらが正しいでも、どちらが上でもありません。
用途と感性の違いが、そのまま評価の違いとして表れているだけです。