全くゴルフを知らない人が急に何らかの必要ができて、この知恵袋で「ゴルフの主なルールを簡単に教えて下さい」と質問するのを時折目にしますが、日頃ルールを論じる投稿をしていると思われる人が今更「ストロークプレーとマッチプレーで罰の科し方が大きく異なるルールにはどんなものがありますか?」と読める質問を本気で書き込んできているようなので「一体、何がこの人に起きたんだろう?」といぶかっています。むしろ、これは何かを狙った「引っ掛け質問」か或いは「釣り質問」ではないのかと疑いたくなります。
騙されたつもりで、まともに回答するならば下記のようになります。
ストロークプレー(SP)では互いに見えない処でプレーする全員の公平性を確保するためにルールはこと細かいところまで全員が全く同じ扱いをされることが最優先されますが、競う相手が目の前にしか居ないマッチプレー(MP)ではルール適応が不明な場合には基本的には互いに合意で決めることができます。
ベースとなる考え方の原点がこれだけ違いますので、当然、違反とする内容もかなり違ってきますし、その罰の科し方も大きく異ならざるを得ません。
ルールブックでSPともMPとも指定がなく単に『一般の罰』と書かれている違反の場合には、SPは2罰打でMPは(ハンデ有りホールかハンデ無しホールかに関係なく)そのホールの負けになります。
SPとMPでルールが大きく異なる事項は山のようにありますが、以下にそれらの中のほんの一部数例だけを挙げておきます。
⚫︎ MPでは、相手が違反していることに気づいても見過ごして課罰しない選択ができる
⚫︎ MPでは、(違反であることを自分と相手の双方が知っている場合を除いて)ルールの適用は双方の合意で行うことが認められる(実際にはルールに反する行為であっても構わない)
⚫︎ MPでは、(相手が見ていない状況下で)罰を受けたことを合理的速やかに相手に教えずに相手が次のストロークを行った場合にはあなたがそのホールの負け(あなたが罰を受けたことを知らなかった場合でも同じくホールの負け)
⚫︎ MPでは、誤球や誤所はその時点でホールの負け(一般の罰)となるので、誤球や誤所では失格になることはない。双方が違反を犯した場合、先に違反したほうのサイドがホールの負けとなる
⚫︎ 「デベソ」の件は質問者の記述のとおり。(相手が打つ前に球がティーマークより明らかに飛び出しているのが分かっても黙って相手にティーショットをさせて、OBなどトラブルショットならそのまま知らんぷりして、ナイスショットの時には打ち直しを要求します)
ティーショット以降の打順は遠方先打が厳密に行われますが、間違った打順については相手が認めるか打ち直しを要求するかの選択ができるだけで罰はありません。
⚫︎ MPでは、相手の球やボールマーカーを動かしてしまうと1罰打が科されます。(グリーン以外では偶然に動かしても罰打の対象ですので、フェアウェイで近接した球を拾い上げてもらい置いてある相手のマークをショットの際に飛ばしてしまうと1罰打となります)
⚫︎ MPでは、グリーン上で打たれた球が相手の球に当たっても罰はありません。
⚫︎例え「終了したばかりのグリーンでの練習ストロークを禁じる」ローカルルールがあろうと、MPでは、コンシードされた球を引き続きカップを狙ってパットすることができます。規則5.5aで「ホールの結果が決定したプレーヤーがそのホールを終えるために行ったストローク」は練習ストロークではないと定められているからです。
⚫︎ MP競技では、ラウンド前及びラウンドとラウンドの間でのそのコース上での練習は無罰です
⚫︎ MPでは、14本の制限を超えてクラブを所持した違反に対する課罰方法は特殊で、「ホールの負け」ではなく「ホール数の差し引き」です。
⚫︎MPでは、ルール適用の疑問や紛議を「2つの球をプレーする」解決方法は許されないので、本人の主張どおりにルール適用してプレーを進行させなければなりません。相手は不服であればタイムリーに『裁定の要請』を行い、後に競技員会の裁定によりマッチの結果を修正します。相手がタイムリーに『裁定の要請』を行わなかった場合には「相手がプレーヤー本人の主張を承認した」とみなされ、その「本人の主張」が正式な最終結果と認められます。