慢性腎臓病の犬で、リン管理が良好に行われているにもかかわらず筋力低下が進行している場合は、リン以外の代謝異常に対する視点が不足している可能性を考える必要があります。
慢性腎臓病では、血清リンが目標範囲に保たれていても、尿毒素の蓄積や慢性的な代謝性アシドーシス、蛋白異化の亢進が進行しやすく、これらが筋機能低下や筋量減少の主因となります。
特に腎性サルコペニアでは、筋肉が代謝の犠牲となり、見た目以上に筋力が落ちていきます。
このため、リンは管理できているから大丈夫と判断するのではなく、尿毒症全体と酸塩基・蛋白代謝を含めた総合的な代謝評価が必要な段階と捉えるべきです。