ご質問の路線は「幽霊駅(Geisterbahnhöfe)」を通過するU-Bahn(地下鉄)路線のことですね。東ドイツが運行を認めた主な理由は以下の通りです。
・四カ国協定による法的義務:ベルリンは米英仏ソの四カ国管理下にあり、1971年の四カ国協定で西ベルリンと西ドイツ間の通行権が保障されていたため、既存の交通インフラの維持が国際法上求められた
・戦前からの既存インフラ:地下鉄網は第二次大戦前から存在しており、分断後に突然停止させることは技術的・法的に困難だった
・経済的利益:西ベルリンから通行料や使用料を徴収でき、外貨獲得の手段となった
・実質的な封鎖:東ベルリン区間の駅は閉鎖され、列車は停車せず通過するのみで、東西の人的往来は防げた
・政治的配慮:完全に遮断すれば国際的な批判を招き、西側との緊張が高まるリスクがあった
つまり、形式的には領土内を通過しますが、実際の東西往来は阻止しつつ、国際協定を守り経済的利益も得られる妥協案だったと言えます。