慢性肝疾患の犬で、胆汁酸値が安定しているにもかかわらず、日中の傾眠傾向が目立ってきた場合は、軽度あるいはサブクリニカルな肝性脳症を考慮すべき状況です。
胆汁酸は門脈シャントや胆汁循環の評価指標ではありますが、肝臓の解毒機能や中枢神経への影響を直接反映するものではありません。
慢性肝疾患が進行すると、アンモニア処理能力の低下や神経伝達物質バランスの変化が起こり、血液検査が一見安定していても、傾眠、反応の鈍さ、ぼんやりするといった行動変化が先行して現れることがあります。
数値が落ち着いているから安心と判断するのではなく、日常の意識レベルや行動の変化を中枢症状として重く評価する段階に入っていると考える必要があります。