なぜ「野生」と「野性」は「市立」と「私立」、「化学」と「科学」のケースのごとく両者を区別するためにそれらの語の一部を訓読みしないのですか。教えてください。

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1165217

2026-01-16 15:25

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「市立(しりつ)」と「私立(わたくしりつ)」、「化学(ばけがく)」と「科学(かがく)」のように、紛らわしい同音異義語を訓読みで言い換える習慣を「湯桶読み」的言い換えや慣用的な読み分けと呼びます。

「野生(やせい)」と「野性(やせい)」がこれらと同じように「のせい」等と読み分けられない理由は、主に以下の3点に集約されます。



1. 意味の重なりが強く、混同しても実害が少ない

「市立/私立」や「化学/科学」は、意味が正反対であったり、対象とする学問領域が明確に異なったりするため、聞き間違えると致命的な誤解を招きます。

一方、「野生(自然状態で育つこと)」と「野性(本能的な性質)」は、「野生の動物」と「野性の動物」のように、多くの場合で意味が重複し、文脈から判断可能です。厳密な区別が必要な場面が少ないため、わざわざ読み分ける必要性が生じませんでした。



2. 「野性」は「野生」から派生した抽象概念である

語源的に「野性」は、「野生の状態で持っている性質」を指す抽象名詞として定着したものです。もともと同じルーツを持つ言葉であり、概念が近接しているため、発音が同じであることが自然として受け入れられています。



3. 日本語の造語構造(漢語の尊重)

日本語には「意志/意思」「開放/解放」など、同音異義の漢語が膨大に存在します。読み分けが行われるのは、あくまで「社会生活上、区別しないと著しく不便なもの」に限られます。

市立/私立: 事務手続きや帰属先が不明確になるため、文部科学省などの公的文脈でも区別が意識されます。

化学/科学: 専門分野の特定に必須であるため、日本化学会などの学術界でも「ばけがく」という呼称が定着しました。

「野生/野性」には、そこまでの切迫した「区別の必要性」が言語生活の中で生じなかったというのが、最大の理由です。

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