いいえ、例外なくではありません。
まず、イラガはイラガ科で、いわゆるドクガ類とは別の群です。
しかもイラガ類の幼虫は多数の毒棘を備え、実験研究でも、こうした刺す棘や強い装甲は広食性の無脊椎捕食者に対して有効で、防御の強い種ほど攻撃されにくく、生き残りやすいことが示されています。
毛の長い毛虫についても、その毛自体が無脊椎捕食者の口器に対する物理的な障壁として働く例があります。
したがって、ムカデが樹上でガの幼虫を捕食することがあっても、イラガや毒針毛をもつドクガ系幼虫まで一律に同じように食べる、とまでは言えません。
一方で、毒や毛がある幼虫が絶対に食われないわけでもありません。
化学防御は平均すると広食性捕食者には効きますが、相手によって効き方は変わり、特定の捕食者や寄生者には通用しないことがあります。
実際、毛の多いドクガ系の幼虫でも、さまざまな捕食者や寄生者の影響を受ける例が報告されています。
ですから答えとしては、「ムカデが食う場合はあるだろうが、イラガやドクガ系まで例外なく、とは言えない。かなり食いにくい相手は含まれる」がいちばん近いです。
なお、今回確認した範囲では、ムカデを相手にイラガ類やチャドクガ類を直接比較した実験までは見当たりませんでした。