簡単に言うと、金に目がくらんだ政治家が、明治維新のドサクサを利用して、伝統的な神社や寺院から土地や財産を取り上げ、私腹を肥やそうとしたからです。
廃仏毀釈と聞くと、仏教だけが弾圧を受けたように思ってしまいますが、実際は神社も凄まじい被害を受けたんです。明治政府の『国家神道』に反対した、伝統的な神道を守る神社は、全て仏教と共に弾圧されたんです。
伊勢神宮ですら、代々、神職は世襲で神宮を守ってきたのに、国家神道に反対したために追放され、明治政府の息がかかった新しい神職にすげ替えられました。
そして、明治政府と癒着した自治体の議員どもは、神社や寺院から奪い取った土地を売却したり、宝物や仏像を売り払ったり、神木を伐採して私腹を肥やしたんです。
「神木なんて伐採して売れるの?みんな恐れて買わないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、当時、クスノキから採れる樟脳はセルロイドの原料として世界的な需要があったんです。写真や映画フィルムの材料として、世界シェアの7~8割を日本が輸出していました。クスノキが伐採されて足りなくなったので、汚い政治家達が目を付けたのが、神社や寺院の『鎮守の森』に生えていた立派な樹齢のクスノキだったんです。
昔からの神道や仏教が残っていると、鎮守の森に手出しはできませんよね。つまり、明治政府が国家神道を推し進めたのは、金儲けの側面もあったんです。
こうして、手つかずのままのクスノキの大木が数多く残されていた三重県や和歌山県の鎮守の森が明治末期に丸刈りにされました。
この汚い政策を推進したのは、平田東助という政治家です。
こいつは悪い噂が多く、大正3年の林喜一の著作には平田の脱税の手口などが記されています。