東京の神社建築をじっくり見るのは、とても楽しいですよね。本殿がどこまで見えるかは神社によって差があるので、いくつか「本殿を観察しやすい例」を挙げます。
本殿を観察しやすい神社
靖国神社(千代田区 九段北)
参拝は拝殿前からですが、拝殿の奥に本殿が独立して建っており、回廊の格子越しなどから唯一神明造の本殿の形や屋根、千木・鰹木などをかなりはっきり観察できます。一般参拝エリアからでも「本殿の全体のプロポーション」を意識して見やすい神社です。
神田明神(千代田区 外神田)
神田明神は本殿・幣殿・拝殿が一体化した形式ですが、拝殿の奥に続く本殿部分の屋根や構成が境内からよく見えます。外観は色彩豊かで、昭和初期の鉄骨鉄筋コンクリート造ながら、意匠は木造社殿に近づけてあり、屋根の重なりや柱・装飾などをじっくり観察しやすいです。
日枝神社(千代田区 永田町)
本殿は拝殿のすぐ奥にあり、拝殿前から正面や屋根の形、廻縁などがかなりはっきり見えます。入母屋造の社殿で、外観のバランスや色彩を観察するのに向いています。
上野東照宮(台東区 上野公園)
本殿・幣殿・拝殿が並ぶ権現造の社殿で、拝殿の奥に豪華な本殿があります。通常は柵越し観覧ですが、屋根や建物の連なりを側面方向からも眺めやすく、全体のシルエットや屋根の重なり方を観察したい人に向いています。
「しっかり見える」度合いの目安
本殿観察のしやすさは、だいたい次の三つのパターンに分かれます。
パターン 見え方の例 東京での代表例
拝殿越しに屋根などのみ見える 本殿は遠めに輪郭が見える程度 多くの一般的な神社
拝殿の奥にかなり姿が見える 屋根や妻面、装飾が分かる 靖国神社、神田明神、日枝神社など
特別公開で近くに寄れる 覆殿内の本殿を期間限定公開 文化財本殿の特別公開など
文化財指定の古い本殿は、傷みを防ぐために覆屋の中に収められ、普段は隙間から少しだけ見えるというケースも多いです。
観察のときのポイント
本殿を「建築として」観察したい場合は、次の点を意識して見ると面白くなります。
屋根の形と千木・鰹木の有無(神明造か、権現造か、入母屋造か)
妻側か平側か、どちらが正面になっているか
廻縁や高欄の形、柱の間の装飾や彫刻
拝殿とのつながり方(一体型か、別棟か)