Q1:日立の社員がノジマの社員になる?
A1:従業員の所属が日立から最終的にノジマになるという点はその通りです。
2026年4月21日付日立製作所プレスリリース「日立の家電事業のさらなる成長に向け、ノジマと戦略的パートナーシップに基づく新会社を設立」
https://www.hitachi.com/content/dam/hitachi/global/ja_jp/press/files/2026/04/0421b.pdf
今回のスキームは外観では一部事業譲渡に見えますが、日立GLSを空調と家電に会社分割した上で、分割後の家電子会社株式をノジマが設立する特別目的会社(SPC)に譲渡するという形を取りますので、従業員の同意は原則不要です。
一応、転籍対応と同じように、労働組合と交渉して、従業員の説得を経て行うかと思いますが、原則論としては個別的にも包括的にも従業員の同意は不要です。
日立GLS取締役会で過半数の賛成決議で会社分割及び子会社株式の譲渡が可能となります。ただし、賛成した会社の役員等は代表訴訟や損害賠償請求の責めを負う可能性はあります。あくまで理論上のことですが。
実際どうかというと、日立GLSの単独親会社は日立製作所で、今回の日立GLSの一部事業譲渡的な会社分割及び株式譲渡を主導したわけですから、株主代表訴訟のリスクはないということになりますかな。
では、親会社の日立製作所が家電事業をノジマに譲渡することで株主代表訴訟を受ける可能性はあるかというと、「なお、本株式譲渡による、日立の連結業績への影響は重要ではありません。」とバッサリ言及していることから、日立製作所取締役会において過半数の賛成があれば問題なく通る案件でしょうし、また日立製作所株主総会において特別決議が必要な案件でもないでしょう。
重要な財産(事業)の譲渡ではないのですから。
さて、ここで考えておくのが、かつて独ボッシュに譲渡した栃木県にある日立の家庭用空調器の工場ですが、ノジマにとってみれば静岡県にある日立GLSの事業用空調機の生産工場は欲しくないでしょうが、家庭用のほうはあったら良いでしょう。
独ボッシュとしても、21世紀に入ってから、欧州でも家庭に空調が必要な気候変動になっていますから、過去60年以上も家庭用空調をやってきた日米のノウハウが不要とは思わないでしょう。
そもそも20世紀の欧州において、家庭に空調器なんて設置していなかったのですから
もちろん、ノジマが家庭用空調はダイキンと三菱電機だけで十分と判断したら、独ボッシュはそのままとなりますかな。
そうなると、日立GLSは独ボッシュから家庭用空調を仕入れて日立ブランドの「しろくまくん」で販売とアフターサービスを続けることになり、他の家電はノジマが製造販売するという、何とも複雑怪奇な形態となりますなあ。
Q2:せっかく日立本体に入社したのにノジマの社員になるなんて!と怒る社員はいないのでしょうか?
A2:いるでしょうねえ、特に茨城県北部は。どうしてかというと、茨城県北部だと、茨城県庁、常陽銀行及び日立製作所は三大就職先だそうですから。もちろん、茨城県南部や西部だと逆に「そんな所にしか就職できなかったの?」で片づけられますが。