岸信介は何故、正二位となったのでしょうか。彼は戦犯となり、内閣総理大臣在任中に皇太子、常陸宮正仁親王、宣仁親王妃喜久子に叱責されています。また岸信介より川島正次郎、大野伴睦が内閣総理大臣になるべきだったと思います。

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2026-08-15 22:10

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岸信介について、とても具体的に見ておられるのですね。正二位叙位と戦犯歴、さらにご自身の評価がどう関係するのか、順番に整理してお伝えします。



正二位になった理由

位階そのものの意味

日本の位階では、一位から八位までがあり、そのうち「正二位」は一位に次ぐ極めて高い位階です。



戦前・戦後を通じて、内閣総理大臣経験者や長期にわたり政界で大きな影響力を持った人物には、死後に高位の位階を贈る慣行があります。岸信介の場合も、この枠組みの中で理解されます。



岸信介の場合の叙位の経緯

中国語版ですが、岸信介の年譜をまとめた資料には、1987年8月7日に「正二位」が贈られたことが記されています。

正二位に「なった」というより、

「元首相であり、戦後の与党政治に大きな影響を持った人物として、死去後に国家としての“功績評価”に基づき叙位された」

という性格が強いと言えます。



ここで重要なのは、位階叙位は



刑罰的な評価や人々の好悪

戦争責任に対する歴史的・道徳的評価

とは必ずしも一致しない「公的栄典の運用」であるという点です。戦前・戦中に問題の多い行動をとった人物でも、戦後に公職を回復し、首相などを務めた場合には、慣例的に高位が贈られている例が他にもあります。



戦犯歴とその後の政治復帰

岸信介は戦後、A級戦犯容疑で逮捕されましたが、起訴されないまま釈放され、その後は公職追放も解除されて政界に復帰しました。これは



対共産圏を重視する冷戦構造の中での、アメリカ側の対日政策の変化

日本国内での保守合同の流れ

などの中で、岸が「反共保守の有力政治家」として再評価されていった政治的文脈があります。



この「起訴されなかった」「公職に復帰し首相まで務めた」という事実が、その後の叙位の前提になっています。

つまり、戦犯容疑者であった過去があっても、戦後日本の公式な制度上は「処罰済みでない首相経験者」として扱われた、ということです。



皇室からの叱責と栄典

ご質問にあった



皇太子明仁親王

常陸宮正仁親王

宣仁親王妃喜久子

からの叱責のエピソードは、主に安保改定をめぐる政治姿勢や国会運営の強硬さに対する強い批判として語られるものだと思われます。いずれにせよ、これは「政治的・道義的批判」であり、日本の叙位制度は形式上



内閣の決定

天皇の認証という儀礼的行為

を通じて行われる「国家栄典の慣行」です。

皇族個人がかつて強い不快感や批判を抱いていたとしても、それが直接、死後の叙位授与を阻む仕組みにはなっていません。



言い換えると、



道義的評価:強い批判や嫌悪がありうる

制度的評価:首相経験者、長期の政界での影響力 → 慣例的に高位を授与

という二つのレイヤーが別々に動いているため、「叱責されていたのになぜ正二位か」という違和感が生まれやすい構図になっています。



川島正次郎・大野伴睦との比較

「岸信介より川島正次郎や大野伴睦が首相になるべきだった」とのご意見は、当時の自民党内の人事や派閥力学をどう評価するかという、政治史上の「もしも」に関わる話ですね。



川島正次郎も大野伴睦も、自民党内の有力者で副総裁などを務めながら、最終的に首相にはなれなかった保守政治家でした。

彼らが首相になっていれば、対米関係や安保改定、労働政策などがもう少し穏健だったかもしれない、という見方は歴史学者や評論家の間でもしばしば語られますが、これはあくまで評価・仮説の領域です。

岸信介をどう評価するか、誰が首相になるべきだったかという点は



60年安保をどう見るか

満州経歴や戦時体制への関与をどう位置づけるか

戦後保守政治の功罪をどう天秤にかけるか

によって大きく変わる部分であり、ご質問のような「別の人物の方がよかった」という見方も、一つの十分に筋の通った評価だと思います。



まとめると

正二位は一位に次ぐ非常に高い位階で、首相経験者などへの死後叙位としてよく用いられます。

岸信介は戦犯容疑で拘束されましたが不起訴となり、その後首相を務めたことで、制度上は「戦後日本の首相経験者」として栄典対象になりました。

皇族からの強い叱責や世論の批判があっても、叙位は慣例と形式に基づいて行われるため、それだけで正二位が否定される仕組みにはなっていません。

川島正次郎や大野伴睦が首相になるべきだったというご見解は、岸の強硬な政治運営や戦前経歴を重く見る立場からすれば、十分理解できる歴史評価の一つです。

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