般若心経にかぎらず、仏教経典というのは別に良いことが書いてあるわけじゃなく、ただ仏教的な世界観というか世界認識についての理論が書かれているものです
良いことが書いてあるのか?と期待して化学や物理学の本を読む人はいないと思いますが、仏教経典も同じようなものです
それはともかく、般若心経の教えの中心は「空」であり「空」とは何かといえば、宇宙全体のことです
宇宙全体というのは今この瞬間だけでなく、無限の過去から無限の未来にいたるまでの宇宙全体の無限の変化のことで、要するに普通の人間には認識できないものです(これを認識できるのであれば仏になれます)
当たり前ですが私たちの見ている世界というか物質(色)は時間的にも空間的にも「空」の一部にすぎないわけですが、得てして私たち凡夫は「空」の一部だけを絶対視して、自分の頭の中で自分の見たもの聞いたものに関する因果関係を勝手に作り出しますが、そうした一部の情報だけを元に組み上げられた「マイ因果関係」は「空」の因果関係とは別物であるため、自分の思った因果関係通りに物事が進んでいないように見えるわけです
要するに世界のすべては「空」の因果関係により変化しているわけですが、人間は自分の見たもの聞いたもの感じたものから自分の頭の中で作り出した因果関係(妄想)を別途もってしまうために、現実と頭の中が食い違い、いろいろと苦しむわけですが、そもそも凡夫にはわからない空なる世界というものがあることがわかればそうした苦しみから逃れることができますよというのが「般若心経」の教えのキモといえます